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「(大谷)翔平に初めて二刀流の話をした時、無表情だった」ヌートバーとダルも招集…なぜ栗山英樹監督はアツいのか「熱闘甲子園を思い出すんだ」
posted2023/03/18 11:01
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Naoya Sanuki
<名言1>
ダルには本当に感謝しかないよ。久々にいい日だなと思えた。
(栗山英樹/NumberWeb 2022年12月14日配信)
◇解説◇
侍ジャパンは2月に宮崎で実施された強化合宿から名古屋・大阪と転戦した壮行試合、強化試合を経て、東京ドームで開催されたWBC1次ラウンドと準々決勝を戦いきった。WBC本番では世帯視聴率が軒並み40%を越え、準々決勝イタリア戦では同大会史上最高となる48.0%をたたき出すなど、まさに日本列島に熱狂を巻き起こす1カ月間となっている。
何かスゲェーな、と。本当に感謝しかない
強化合宿からダルビッシュ有が参加し、大会直前にはメジャー1年目の吉田正尚、今や大の人気者となったラーズ・ヌートバー、そして真打の二刀流・大谷翔平といったメジャーリーガーが合流したことでそのムードは日に日に高まった感があるが……彼らを軒並み招集に成功したのが栗山監督である。ダルビッシュの招集について、2022年末にこう語っていた。
「こちらの思い、細かいことを詰めないといけないと思っていたら、ダルの方から『ジャパンに協力します。できる限りのことはします』と言ってくれた。僕以上にこれからの日本野球のために自分が何をしなければいけないかを意識している。お子さんが(8月に)生まれたばかりで家族の負担もある中で決断をしてくれた。感動したというか、何かスゲェーな、と。本当に感謝しかない」
栗山監督との約束通り、ダルビッシュはメジャーで培った経験値を余すことなく若き投手陣に伝えつつ、強化合宿から野手陣とも分け隔てなく交流するなど大きな足跡を残してくれたのだった。
翔平って、大事な時にはそういう反応になるんだって
<名言2>
初めて翔平に二刀流の話をしたとき、アイツがあまりにも無表情だったことは今でも印象に残ってる。(栗山英樹/Number963号 2018年10月11日発売)
◇解説◇
栗山監督は日本ハム時代、監督として大谷の二刀流起用を明言し、その才能を最大限発揮し、チームの勝利に結びつけようと腐心し続けた。その試行錯誤が実ったのが2016年のパ・リーグ制覇と日本一、さらに大谷のMVP獲得だったと言っていいだろう。しかしそもそものスタート地点は“大谷が日本ハムに入ってくれるかどうか”という段階だった。