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「PKは運じゃない」世界一を決めた豪快PKに再び脚光…なでしこ熊谷紗希は森保Jをどう見た? 女子W杯まで半年「4強まで行かないと…」 

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photograph byL:Kiichi Matsumoto/JMPA R:AFLO

posted2023/01/13 17:01

「PKは運じゃない」世界一を決めた豪快PKに再び脚光…なでしこ熊谷紗希は森保Jをどう見た? 女子W杯まで半年「4強まで行かないと…」<Number Web> photograph by L:Kiichi Matsumoto/JMPA R:AFLO

カタールW杯の後、2011年女子W杯決勝のPK戦がSNSで再び話題に。熊谷は決まれば世界一というプレッシャーの中、ゴール左上へ豪快に蹴り込んだ

 ワールドカップでの日本の躍進は、ドイツでプレーする熊谷の周辺にも話題を提供していた。バイエルン・ミュンヘンで2シーズン目を迎えるなか、ドイツ戦の勝利にチームメイトからも「日本は応援したくなるチームだね」と祝福されたという。

 また翌日のアウェイゲームのために遠征していたなか、現地時間で20時キックオフのスペイン戦を前に監督が「この後の日本戦を見たいんだろう?」とチームミーティングをキックオフ5分前に切り上げてくれ、部屋に走って戻った熊谷は逆転勝利にひとりベッドで飛び跳ねた。男子チームのカタールの地での快進撃は、欧州で12シーズン目を戦う熊谷をも強くモチベートしていた。

「本当に私も感動しました。応援したくなるサッカーをしていたと私も思うし、自分も頑張らなくちゃと思いましたよ。大会前の周りからの期待って、正直低かったじゃないですか。でも戦っている姿勢からも、それを覆していこうとする気持ちを感じた。実際のチームの内情はわからないですけど、絶対にいいチームだったと思う。だからクロアチア戦の後は私も『応援させてくれてありがとう』という気持ちしか出てこなかった。みんなそうだったと思うし、そうじゃないとベスト16で帰国した空港にあれほど人は集まらないですよね」

女子W杯まで半年「奇跡に裏付けは必要」

 2019年、フランスでの女子ワールドカップを今回の男子チームと同じくベスト16で終え帰国の途に着いたなでしこジャパンを、空港で待つ人はほぼいなかった。だからこそカタールワールドカップの戦いぶりを「ヒントにしないといけない」と言う。地力で勝る相手をなぎ倒していった姿を、なでしこでも再現すれば自分たちの見られ方の風向きを変えられるはずだと。

「改めて私も、サッカーって何が起きるかわからないなと思いましたよ。だから逆に言えば、奇跡は起こせるんだって。でも奇跡にだって裏付けは必要だと思う。今回のドイツ戦もスペイン戦もただのミラクルじゃないですよ。あの勝利にも理由はある。だから私たちも、裏付けのある奇跡を起こしたい」

 視線は今年7月からオーストラリアとニュージーランドの共催で行われるFIFA女子ワールドカップに向いている。

【次ページ】 「ベスト4まで行って初めて、観てもらえる」

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