青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER

2カ月以上も米国に滞在する石川遼。
春のマスターズで優勝争いを目指す! 

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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photograph byNIKKAN SPORTS/AFLO

posted2011/02/05 08:00

2カ月以上も米国に滞在する石川遼。春のマスターズで優勝争いを目指す!<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS/AFLO

雪山でクロスカントリースキーのトレーニングに励む石川遼。家族揃ってのスキー旅行が恒例だった石川家だが、今はハードな練習あるのみ!

 1月中旬、暖かなハワイで多くの米ツアーの選手がシーズン初戦を迎えようとしている時、石川遼は新潟の雪山をクロスカントリースキーで突っ走っていた。

 それから2週間ほど経ち、タイガー・ウッズが得意コースでの今季初戦で苦虫をかみつぶしている時、石川遼は沖縄で新クラブのテストを行いながら、体育館でフットサルに興じていた。

 これは石川が遊びほうけているとか、たるんでいるということではない。オフシーズン真っ只中、石川はむしろまじめに、勤勉な日々を過ごしている。しかし、日米ツアーの日程のズレがこの温度差を生み出してしまっているのだ。

 日本ツアーが4月に開幕して12月まで続くのに対して、米ツアーは1月に始まって9月には実質的に終わりを迎える。つまり4月のマスターズなどは、まだ日本ツアーの開幕前に行われるのである。ぶっつけ本番とはいえないまでも、日本の選手はいつも手探りの部分を残したままで大舞台に挑まざるを得ない。すでに緊張感のある戦いを3カ月こなしてきた海外の選手とはコンディションに差が生じるのは当然だろう。

 石川の父・勝美さんは昨年12月のツアー最終戦を終えた時に「来週がマスターズだったら、ちょっとは盛り上げられるかもしれないね」と少し残念そうに話していた。激しい賞金王争いによって研ぎ澄まされた技術と感覚を維持したままオーガスタに挑めばどんな結果が出るのか。石川のみならず、他の日本人選手についても想像を巡らせてしまう部分である。

2カ月以上のアメリカ滞在で海外ツアーで優勝する準備を。

 もちろん嘆いているばかりでは始まらない。日米ツアーの日程のずれは気候的な問題など致し方ない部分もあるからだ。今季の目標の1つとして「海外での優勝争い」を掲げている石川は、異例の長期滞在によってその問題に対処しようとしている。

 今季のツアー初戦は例年通りに17日からロサンゼルスで行われる米ツアー、ノーザントラスト・オープンで迎える。この試合に向けても1週間以上早い2月上旬には渡米し、そこから4月のマスターズまで2カ月以上米国に滞在し続けるという日程を組んだのだ。

 昨年は卒業式に出席するために3月上旬に一時帰国したものの、「時差ボケするために帰ってきたようなものだった」とコンディション面ではデメリットしかなかったという。今年も3月第1週は試合に出ずに空き週とするが、昨年の経験を生かして日本に戻らずに米国内で調整を続けることを決めた。

 その間にマスターズを含めて6試合に出場。これだけ数をこなせば、細かな調整も十分にできるだろうし、試合勘などの不安も消える。

【次ページ】 長期滞在は時差とツアー日程のズレを解消するため。

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