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「“愛情”が伝わってくる選手はワタナベが初めて」渡邊雄太がNBAネッツで勝ち取った“信頼”…2023年に描く夢物語の舞台とは?
posted2023/01/06 11:00
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Getty Images
「2022年は言葉で表すとしたら“変化の1年”でしたね。結婚したというのもありますし、所属チームが変わったというのもあります。いろんな環境が変化した中で、それが最終的には全部いい方向にいった。2022年の始まりはしんどい時期が続きましたけど、終わってみたら、あれも含めて自分を強くしてくれたんだと思いますし、おかげで本当にいい1年を過ごせました」
激動の365日を振り返る渡邊雄太の表情は、これまでにないほど晴れやかだった。
身長206cmの身体から充実感が滲み出ていたといっても大袈裟ではない。NBAを代表するスター軍団、ブルックリン・ネッツの主力メンバーとして、最近では貫禄すら感じさせるようになった渡邊は最高の日々を過ごしている実感があるのだろう。
すべてが順風満帆だったわけではない
あくまでバスケットボール選手としての時間に限定すると、本人の言葉通り、すべてが順風満帆だったわけではない。トロント・ラプターズに所属していた昨年1月以降はコロナ感染もあってプレー機会が激減。今季、本人が希望していたラプターズへの残留は叶わなかった。7月には日本代表の一員としてFIBAアジアカップに出場したものの、大会途中で右足首を負傷して離脱を余儀なくされてしまった。そんな波乱の1年も、今では気分良く総括することができる。
「また他のチームに行って人間関係を作り直したりとか、そういうのも含めていろいろ大変だろうと思っていました。ラプターズもトロントの街も好きでしたし、シーズン終了時はトロントに残りたいというのが一番でした。ただ、こうやって様々な変化を経験することは大事だと改めて思った1年でした」
そう結論づけられるのは、昨オフ、新たに契約したネッツで成功を手にしてきたからに他ならない。