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井岡一翔の統一戦“ドロー判定”は妥当だったのか?「勝ったと思った」フランコも不満は述べず…どちらも評価できる“難しい採点”を検証
posted2023/01/02 11:05
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph by
Hiroaki Yamaguchi
2022年の大みそか、WBA・WBO世界スーパーフライ級統一タイトルマッチが東京・大田区総合体育館で行われ、WBO王者の井岡一翔(志成)とWBA王者のジョシュア・フランコ(米)は12ラウンドをフルに戦ってドロー。両王者がそれぞれ防衛をはたし、王座は統一されないという結末となった。試合後に議論を呼んだ“採点”を軸に、この試合を振り返りたい。
「手応えがあった」前半も、6回までの採点は…
井岡が待ちに待って臨んだ統一戦は薄氷のドロー防衛。年末の大一番は、期せずしてボクシングのジャッジの難しさをアピールする試合になった。
試合はフランコの「攻撃は最大の防御」とばかりに前に出て手数を出していくスタイルと、井岡のよく引きつけて“無駄打ち”をせず、しっかり有効打で相手にダメージを与えていくスタイルがぶつかり合う展開となった。
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フランコは必ず先手で攻撃をしかけ、ワンツー、返しの左フックを盛んに打ち込んでいった。井岡はこれをカバーリングやダッキングで防ぐものの、ロープを背負って守備に回るシーンが目立つ。一方、左ボディを軸にパンチの正確性では上回った。互いがそれぞれの持ち味を出し合った前半戦とも言えた。
試合後、井岡は次のように語っている。
「向き合って1ラウンドから距離がはまるなというか、やりにくさは感じなかった。むこうもいいリードブローを突いてきて、それをうまく外しながら、リードからコンビネーションにつなげるという展開に持っていくという流れもできていた。前半は手応えがあった」
ところが6回までの採点をチェックしてみると、井岡の手応えとはまったく逆の結果となっていた。ジャッジ1人はフルマークの60-54でフランコ、残り2人も59-55、58-56で、井岡は6ラウンド中、最大でも2ラウンドしか取れていない。つまりジャッジはフランコのアグレッシブな戦いぶりを評価したということだ。