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吉田、千賀、藤浪へ…日本人のメジャー挑戦に必要な「覚悟」とは? 思い出した、キャンプイン前から現地で準備していた“イチローの姿”

posted2022/12/21 17:07

 
吉田、千賀、藤浪へ…日本人のメジャー挑戦に必要な「覚悟」とは? 思い出した、キャンプイン前から現地で準備していた“イチローの姿”<Number Web> photograph by JIJI PRESS

レッドソックスの入団会見で笑顔を見せた吉田正尚

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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 吉田正尚が5年総額9000万ドル(約123億3000万円)でレッドソックスへ入団し、千賀滉大が5年総額7500万ドル(約102億7500万円)でメッツ入りを果たした。現在の日本が誇る最高の打者であり、投手であるふたりが得た長期高額契約は、彼らが日本で残した実績が評価された証であろう。同時にメジャーで戦ってきた多くの先人たちが後輩たちへあかりを灯し続けてきた結果でもある。年が明ければ、藤浪晋太郎にも朗報は届くだろう。23年シーズンに「新人」として異国で戦う3人の侍への期待は高まるばかりだ。

 来春のキャンプ集合日は、まだ正式に発表はされていないが、関係者の間では投手が2月13日、野手は19日前後と囁かれている。12日にキャンプ地のアリゾナ州グレンデールで「第57回NFLスーパーボウル」が行われるため、13日に始まるという見解だ。背景にはフェニックス周辺のホテル、レンタカーに加え飛行機便などが既に売り切れの状態ということもある。吉田、千賀が参加する両球団のキャンプ地はフロリダ州になるが、足並みを揃えての開始が有力視されている。

新人選手のキャンプ参加への“気構え”の変化

 日本から海を渡る新人選手のキャンプ参加に最近少し思うことがある。「十年一昔」の言葉もあるが、選手の気構えが以前とは随分と違ってきていると感じる。

 22年度は労使交渉が長引き、ロックアウトのためキャンプ開始は3月中旬となったが、例年は2月中旬に始まる。その中で、日本から来た新人選手たちが現地入りする時期が以前より遅くなっている。日本時代から慣れ親しんだ環境、場所で準備を万全に整えたいという思いもあるだろうが、その理由を聞くと「ビザの関係」と話す選手は意外にも多かった。

 日本人選手が米国で報酬を得てプレーするためには就労ビザが必要だ。メジャーで実績を残していく過程で永住権へと切り替えていく選手は多いが、まずは「P-1」と呼ばれるビザから始まる。

【次ページ】 準備に一番時間をかけていたのは、イチローだった

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