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吉田、千賀、藤浪へ…日本人のメジャー挑戦に必要な「覚悟」とは? 思い出した、キャンプイン前から現地で準備していた“イチローの姿”
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byJIJI PRESS
posted2022/12/21 17:07
レッドソックスの入団会見で笑顔を見せた吉田正尚
イチロー「失敗しましたじゃ、許されませんでしたからね」
16年ほど前、カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で練習を積んでいた松坂氏はこんなことを言っていた。
「スライダーが全然思うようにならないんですよね。メジャー球で(日本でも)練習はしていたんですが…。全然違う(苦笑)」
イチローさんには現役引退後にも聞いたことがある。「なぜ、ルーキーの時はキャンプの1カ月以上も前から米国に来て練習を続けていたんですか」と。
険しい表情へと変わったイチローさんが言った。
「失敗しましたじゃ、許されませんでしたからね。僕の場合」
イチローさんにとってはもう22年も前のことになる。時代も違えば、選手個々の感じ方も違うだろう。だが、「覚悟」の違いを感じたことも事実だった。
吉田と千賀にかけられる期待
世界最高峰のメジャーリーグで結果を残すことは容易なことではない。抽象的な表現となるが、結果を残してきた選手には「強い覚悟」のようなものを感じてきた。1年目の準備期間の過ごし方の違いもその表れのひとつに思う。
吉田も千賀も5年契約を勝ち取った。吉田は年平均で1800万ドル(約24億6600万円)、千賀は1500万ドル(約20億5500万円)。ルーキーでありながら、既にチームを牽引する期待がかけられている。自らを律し強い覚悟を持ち挑むことが、結果を掴みとるためにできること。老婆心ながら、そんなことを思いながら活躍を切に願っている。