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ブラジル「物議の韓国戦ゴール後ダンス」に“ビニシウス差別問題”の伏線… 監督も「侮辱するつもりは毛頭ない」現地報道で深掘り

posted2022/12/09 06:00

 
ブラジル「物議の韓国戦ゴール後ダンス」に“ビニシウス差別問題”の伏線… 監督も「侮辱するつもりは毛頭ない」現地報道で深掘り<Number Web> photograph by Jean Catuffe/Getty Images

圧倒的な力で韓国を撃破したブラジル。論争となった「ゴール後ダンス」には伏線がある

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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Jean Catuffe/Getty Images

 6度目のW杯優勝を目指すブラジル代表は韓国に4-1の圧勝を飾った。この一戦は現地でどのような報道がされたのか(日本代表の評価編も)

 グループステージ(GS)で、怪我人が続出。とりわけ、左サイドバックは2人とも故障して、1人はすでにチームを離脱。ターンオーバーしたとはいえ、最終節でカメルーンに敗れ、3試合で3得点は過去11大会で最少。チッチ監督はネイマールの起用を明言したが、いかなる体調にあるのか不明――。

 このような、かなり危機的な状況で、ブラジル代表はラウンド16の韓国戦を迎えた。

苦肉の策の陣容ながら序盤からアグレッシブ

 試合前のSporTVの解説者による恒例のスコア予想は、5人全員が「2-0でブラジルの勝ち」。得点数の少なさが、不安の大きさを表わしていた。

 チッチ監督は、本来右サイドバックのダニーロを左サイドバックへ、CBエデル・ミリタンを右サイドバックへコンバートする苦肉の策。復帰したネイマールがトップ下で、ボランチの1人にフレッジよりも攻撃力が高いルーカス・パケタを起用した。

 一方、韓国はGS最終節でポルトガルに見事な逆転勝ちを収めて2位で勝ち上がったものの、中2日の試合とあって、まだ疲労が残っていることが予想された。

 TVグローボの中継を担当したのは、キャリア42年の国民的アナウンサー、ガルボン・ブエノ。解説者がジュニオール(元ブラジル代表左サイドバック&MFで、1982年と1986年のW杯に出場)、ロッキ・ジュニオール(元ブラジル代表CBで、2002年大会優勝)と戦術に詳しい女性評論家のアナ・タイス・マットス。審判の判定に関しては、元国際審判のパウロ・セザール・デ・オリベイラが担当した。

 試合前に体をほぐすネイマールの表情は明るく、体調は良さそうだ。韓国の先発メンバーを紹介する際、ブエノは世界中のアナウンサーと同様、韓国のGKと最終ラインの5人の苗字がすべて「キム」で、中盤にも2人の「ファン」がいると伝えた。

ビニシウスのW杯初得点に飛び跳ねて大喜び

 セレソンは、立ち上がりからアグレッシブだった。

 前半7分、右サイドでダイレクトパスを交換してマークを外すと、ラフィーニャがゴール前へ低いクロスを入れる。走り込んだネイマールらには合わなかったが、ファーサイドでビニシウス・ジュニオールがフリー。冷静に右足で蹴り込んだ。彼にとって、これがW杯初得点。GKアリソンを除くチームメイト全員が輪になって飛び跳ねる。ビニシウス、ネイマール、ラフィーニャ、パケタの4人が、同じ振り付けで踊った。

【次ページ】 ネイマールPK成功後も「取れるだけ点を取れ」

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