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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「クボはもっとゴールにこだわるべきだ」ソシエダの伝説的DFから久保建英への注文「パスの出し手という印象」「冷徹に狙っていい」
text by
フィル・ボールPhill Ball
photograph byGetty Images
posted2022/10/16 17:02
ソシエダで攻撃の中核として存在感を示している久保建英。ラ・レアルのレジェンドは彼の活躍をどう見ているのか?
「後半、久保はディフェンダーのリサンドロ・マルティネスとビクトル・リンデロフをてんてこ舞いさせていたよ。単純に彼らは久保に対応することができなかった。それにオモニア戦では、彼が出場してチームを勝利に導いた。 試合後半、疲労が溜まってきたときに久保のような選手が登場すると、ディフェンダーにとっては最悪の展開になるんだ」
ソシエダのレジェンドを驚かせた21歳の若者の覚悟
ゴリスはピッチを離れたところでも、久保の動向を詳細にチェックしていた。
「彼は今回、クラブ側と5年契約を結んだと思う。レアル・マドリー時代はずっとレンタルされていたから、長期契約をするのは初めてだろうし、心に期したものは大きいはずだ。
それに、地元の新聞では『この挑戦がサッカー選手としての節目になると思っている、もう失望はしたくないし、限界のある選手と思われたくない』というコメントも読んだ。まだ21歳なのに、ここまで危機感を持って臨んでいるというのは、驚くべきことだよ!
感心したのは、『自分が努力しなければならないのはわかっているが、これほど多くの質の高い選手、そして自分を理解してくれる選手に囲まれたのは初めてだと感じた』というコメントだった。これは本音だと思う。ダビド・シルバやミケル・メリノと一緒にプレーできるなどというのは、どんな選手にとっても幸運以外の何物でもないからね」
なぜ600試合ではなく、599試合だったのか
では久保はソシエダに腰を据え、いずれはゴリスのようにクラブのレジェンドと目されるような存在になっていくのだろうか?
ちなみにゴリスはソシエダで599試合に出場した記録を持っている。考えてみれば、これは不思議な数字だ。普通ならば切りのいい600で終わらせようとするし、ゴリスにはその機会もあったからだ。
彼は1992-93シーズンの第37節、ホームでのテネリフェ戦に出場し、600試合出場に王手をかけている。次の最終節、アウェーのバルセロナ戦で大台に乗せることは十分に可能だった。
私はテネリフェ戦をスタジアムで観戦していた。その事実を告げると、彼は夢中になって、当時監督だったジョン・トシャックとのやりとりを明かし始めた。トシャックは、ゴリスが599試合出場を記録した後、更衣室で声をかけてきたという。