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コスタリカで愛されたヤングなでしこ「ハマノは一番のお気に入り」代表広報が感じた“W杯準V以上の価値”とは?〈なでしこ初招集で涙も〉
posted2022/10/12 17:00
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
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JFA/AFLO
FIFA U-20女子ワールドカップ2022(8/10〜28)で準優勝を果たしたU-20日本女子代表。大会MVPに輝いたFW浜野まいか(18歳)をはじめ、FW藤野あおば(18歳)、DF小山史乃観(17歳)の3名が早速なでしこジャパンに初招集されるなど、将来が楽しみな選手が頭角を現した大会となった。
その躍進と共に注目を集めたのは開催地コスタリカの熱狂ぶりだった。チームを見守ってきた広報の証言をもとに彼女たちの奮闘を振り返る。
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「ハマノは僕の今大会で一番のお気に入りなんだ」
サッカーU-20女子W杯準決勝・ブラジル戦を前に、U-20日本女子代表FW浜野まいかは、FIFAの公式インタビューを受けていた。
チームホテルを訪れたFIFAの取材クルーの青年がこっそり耳打ちしてくる。
公式スタッフだからあまり誰かに肩入れしてはいけないのだけど……とおどけていたが、隣にいた女性スタッフも「私にとっても彼女が一番よ」とその輪に加わってくる。連戦のため正味15分程度の短いインタビューだったが、「こんな素敵なインタビューができてアメイジングだ!」とご機嫌で彼らは帰っていった。多少リップサービスを含んでいたが、それでも現場にいた全員が心底その場を楽しんでいるように目に映った。
鳴り止まない「ハポンコール」
U-20女子W杯で準優勝を果たしたU-20日本女子代表は、その結果もさることながら、開催地コスタリカで最も多くの愛を受け取るチームとなった。
試合ごとに増えるスタンドからの「ハポン」(スペイン語で「日本」の意味)の声援や、試合後のスタジアム出口でチームバスを待ち構えるサポーターなど、試合が行われたアラフエラとサンホセのスタジアムはちょっとした日本ブームが巻き起こった。
その盛り上がりはスタジアムの外でも。会場の周りでは日本のアニメキャラクターが多く描かれた、権利処理という概念が忘れ去られた「ばったもん」ユニフォームが販売され、実際スタジアムでも多くの現地人がそれを着用している姿を目にした。
そんな人々が掲げる日の丸が揺らめく中で聞く君が代には、選手はもちろんサポートスタッフたちも身震いした。