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「モデルで麻雀? やらないほうがよくない?」中国育ち青学卒・岡田紗佳(28)がそれでもMリーガーになった理由《特別グラビアインタビュー》 

text by

曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2022/07/15 11:00

「モデルで麻雀? やらないほうがよくない?」中国育ち青学卒・岡田紗佳(28)がそれでもMリーガーになった理由《特別グラビアインタビュー》<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

KADOKAWAサクラナイツのメンバーとして、Mリーグ制覇を成し遂げた人気Mリーガーの岡田紗佳

「モデルで麻雀? やらないほうがよくない?」

――高校時代にスカウトされて『non-no』のモデルとなったあと、麻雀を始めたのはいつごろだったのでしょうか。

岡田 大学生のころですね。モデル仲間がアプリの麻雀ゲームをやっていたことがきっかけでした。

――当時、「麻雀が好き」ということで周囲から苦い顔をされることはありませんでしたか?

岡田 『non-no』では周りの子たちと楽しんでいたので問題なかったんですけど、やっぱり少しダーティーなイメージもあったみたいで、友達から「モデルで麻雀? やらないほうがよくない?」と言われることはありましたね。一方で、両親はどちらも麻雀が大好きなので、むしろ「いいじゃん!」みたいな感じでした(笑)。

――そもそも、上海のお祖母さまは現地で麻雀荘を経営されていたそうですね。

岡田 はい。なので、最初の麻雀体験は子供のころの中国麻雀でした。もうルールは全然覚えていないんですけど、この牌は何なのかとか、4面子1雀頭を作るとか、基本の部分は日本で始める前から知っていたんです。そういった経験が、麻雀の世界に足を踏み入れるうえでプラスになった部分は間違いなくあると思います。

麻雀は「自分の性格に合っている」

――岡田プロが魅せられた麻雀の面白さは、どんなところにあるのでしょうか。

岡田 一生のうちに同じ配牌と同じツモは二度とこないと言われるくらい、毎局ドキドキワクワクさせられるところが本当に素晴らしいゲームだと思いますね。もともと私、すごくオタク気質で、ハマったことはとことん追求するタイプなんですけど、一度“全クリ”しちゃうと冷めてしまうところがあって。でも、麻雀って“全クリ”がありえないじゃないですか。恐れ多くて一生そんなこと言えません(笑)。それこそ沢崎誠さんのように何十年もプロをやっていても、難しい場面は絶対にやってくる。その奥深さが、自分の性格に合っているのかもしれません。

――そういった「麻雀の深み」を知るに至った明確なきっかけはありますか。

岡田 プロになる前に、日本プロ麻雀連盟の勉強会に参加させてもらったときですね。当時はまだ点数計算もできず、役も全部は覚えていないくらいの段階だったんですけど、滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)さんが基礎的な部分から深いところの思考まで、とても丁寧に教えてくれて。誰もが羨むような贅沢な環境で麻雀を学んだことで、より深みにハマっていったのかな、と。

麻雀が生活の柱になるというイメージはつかなかった

――麻雀に没頭し始めた当時は、将来Mリーグのような場所でプレーしていると想像できましたか?

岡田 まったく思ってもみなかったですね。私がプロになったときはまだMリーグもなく、麻雀が生活の柱になるというイメージはつかなかった。自団体のリーグ戦に出て、楽しく麻雀を打ちながら成長できればいいな、くらいの考え方でした。正直、あれよあれよという間にここまできた感じです(笑)。ただ、もう本当に筋金入りの負けず嫌いなので、目の前の対局にとにかく勝ちたいんですよ。そのために必要なことは貪欲に学んできたつもりです。

――プロデビュー時から放送対局への出場も多かった印象ですが、結果が出ずに苦しんだことは……。

岡田 それが、意外にも勝てちゃったんですよね(笑)。たまたまプロになって初めてのテレビ対局で優勝したり、『われポン』で九蓮宝燈をアガったり……。振り返ってみると、やっぱり私は環境がすごくよかったし、あらゆる意味で恵まれていました。女流の勉強会で滝沢さんに教えてもらったこともそうですし、麻雀における“一流の知識”しか入ってこなかったんです。

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