濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
ボンデージ姿でムチ乱打も…“フェリス卒”女子レスラー・雪妃真矢がフリーで始めた新たな闘いとは?「伸び伸びと、怒られてもいいので(笑)」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2022/05/18 11:00
Rebel&Enemy自主興行、普段とは違うボンデージ系コスチュームで植木嵩行を踏みつける雪妃
フリーだからこそ「どのリングであっても努力し続けないと」
フリー転身の記者会見で、彼女は「これからはアイスリボンの名前を借りずに。今はアイスリボンだから応援してくれる方がたくさんいますけど、それを“雪妃真矢だから”応援していただけるようにと思っています」と語っていた。ストレスやプレッシャーは、行きたい道に進んだからこそだ。
「全体の試合数はアイスリボン時代と変わらないんですけど、道場マッチがない分、いろんなところに行きます。行く場所が増えたし自分の興行もある。常に仕事をしているから充実感はありますね。
それにフリーは、どのリングであっても努力し続けないと。お客さんに受け入れられなかったら、仕事がなくなってしまうのがフリーなので」
ブーツで踏みつけ、ムチ乱打…“フリーならでは”の自主興行
フリーだからできる新たな試みも始めた。
4月8日、アイスリボンで生まれたユニット「Rebel&Enemy」が自主興行を開催(新木場1stRING)。雪妃がアイスリボンに反逆(Rebel)し、他団体・フリーの外敵(Enemy)と手を組んで始まったユニットだ。メンバーは雪妃、ラム会長(暗黒プロレス組織666)にフリーの山下りなと尾崎妹加。
この自主興行、ラム会長は怪我で欠場となったがセコンドに。雪妃はメインイベントに勝利しただけでなく、宮本リンチこと宮本裕向とのタッグではボンデージファッションに身を包んで登場。大和ヒロシと植木嵩行を相手にブーツで踏みつけ、ムチを乱打し、最後は三角木馬で植木がギブアップ。この雪妃の姿に、大会後のチェキ撮影会のチケットが急激に売れたと言われる。女性ファンも多かったそうだ。
ちなみにメインの試合も、Rebel&Enemyをパロディにした男子レスラーたちが相手。この興行、普通の試合が一つもなかったような気がする。
「こういうのもフリーならではですよね(笑)。所属だったらできないかもしれない。伸び伸びやってます。怒られてもいいというか、怒られるのも含めて自分の責任でやれるのがいいですね」
「フリーが集まって描くストーリー」とは?
ユニットのメンバーは「そんなにベタベタしてないんですけど、LINEグループは活発だったりして面白いですね」と言う。
「みんな出自、デビューした団体が違うんですよ。価値観が違うところで育ってきたので、売りにするものも性格もバラバラ。だけど向上心とか個性を押し出すということでは妥協がない。だから集まると楽しいことができるんじゃないかなと」