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送球をグラウンドに叩きつけることも…“危なすぎる守備”アダム・ウォーカー30歳を巨人・原監督が使い続けるワケ《年俸3400万円の選手にかける“大化け”の期待》
posted2022/05/14 11:04
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Kiichi Matsumoto
諸刃の剣であることは間違いない。
今季から巨人でプレーするグレゴリー・ポランコ外野手とアダム・ウォーカー外野手の2人の外国人野手の存在だ。
ポランコは、5月12日のDeNA戦終了時点で40試合に出場して打率2割4分8厘の6本塁打12打点という成績。12日のDeNA戦では同点ソロを含む3安打で連敗脱出の原動力となる働きを見せ、ここまで主に3番打者として打線を支えてきている。
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一方のウォーカーも持ち前の長打力で貢献し、5月に入ってすでに4本塁打をマーク。規定打席不足ながら打率2割8分8厘の7本塁打17打点とバットでは“合格点”の活躍を見せている。
カットマンに普通に投げることもできない
ところがその一方にあるのが、ファンも目を覆いたくなるような2人の拙守の連続である。
ポランコも動きが緩慢で12日のDeNA戦では4回にネフタリ・ソト内野手のライナー性の打球をグラブに入れながら弾いて二塁打にするなど、守備面でのマイナスが何度も見られた。
しかしそんなポランコに輪をかけて守備面での問題を抱えているのがウォーカーだ。
打球の追い方も危なっかしいが、それにも増して危険なのがスローイングだ。中継に入る内野手への送球をグラウンドに叩きつけたり、とにかく速くて正確な球を投げるどころか、カットマンに普通に投げることもできない。イップス説も飛び交う送球は、もちろん他球団の格好の餌食。10日のDeNA戦でも初回無死満塁から牧秀悟内野手の左翼への浅い飛球で、三塁走者に迷うことなくタッチアップされて生還を許してしまった。レフトに打球が飛んだら迷うことなく次の塁に「GO」というのは、すでに相手チームの選手たちには折り込み済みという状況だ。
それでも巨人はこの2人を使い続ける。
もちろん理由は打撃の魅力である。