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「U-21ドイツ代表の10番」は日本代表の資格あり 急成長の21歳アペルカンプ真大に直撃「日本から話が来れば…」
posted2022/05/13 11:02
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
どんなクラブにも象徴と呼べる選手がいる。良い時期も、苦しい時期もクラブのために全力で戦い、プレー面だけでなく人間性でもファンから絶大な信頼を集める選手がそうだ。フォルトゥナ・デュッセルドルフでプレーするU-21ドイツ代表MFアペルカンプ真大は、そんなクラブの象徴になることを期待されている。
日本生まれのアペルカンプは、15歳のときにドイツ人である父親の転勤をきっかけにデュッセルドルフで暮らし始め、フォルトゥナ・デュッセルドルフのU-16チームへ加入。そのまま順調にトップチームまでステップアップし、昨季の第2節ビュルツブルク戦でプロデビューを飾っている。
デュッセルドルフの象徴への期待
プロ2年目となる今季は、リーグ戦1試合を残して26試合出場(先発20試合)、3得点・1アシスト。1部昇格を目指してシーズンインしたが序盤からチームは低迷し、残留争いへ巻き込まれるなか監督交代も経験した。
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個人としても昨年10月の新型コロナウイルス感染に加え、足の負傷でしばらく離脱するなど難しいことが多かった。そんな今季を、彼はどのように受け止めているのだろう。
コロナ禍のドイツは、いまだミックスゾーンでの取材が許されていないクラブが多い。そのため、試合後に選手と話をすることはできない。クラブの広報担当にインタビューをお願いしてもなかなかOKをもらえなかったが、今回は特別にスタジアム隣にあるホテルのロビーで対面式インタビューを実施することができた。
ベテランの多いリーダーグループに21歳で任命
デュッセルドルフは生え抜き選手が多いクラブではない。それだけに、ユース、U-23を経由してトップチームで定位置を掴んでいるアペルカンプに対するクラブの期待は大きい。ドイツではキャプテン、副キャプテンのほかに選手の意見をまとめるリーダーグループがベテラン選手を中心に形成されることが多いのだが、アペルカンプは今季、そのひとりに任命されている。21歳という年齢を考えると、異例のことだ。
「歴史あるクラブで、21歳で任されるのはなかなかないこと。非常にスペシャルなことだと思っているし、素直に嬉しいと感じています」
責任感が増し、他の選手を引っ張る役割も求められる。
「成績が良くないときは、僕らリーダーグループの5人と監督、クラウス・アロフスSDとミーティングをします。そこで今の状況をお互いに話して、どうするべきか、何をすればいいのかを話し合います。あとは選手たちが監督やSDに言いたいことがあったら、僕らを通して伝える役割もあります」
まさにチームの中心で、その自覚もある。実際、試合取材に足を運ぶとアペルカンプのユニホームを着ているファンが多い。また先日、クラブ主催のサッカーキャンプにアペルカンプがゲストとして顔を出したときは、子どもたちからの声援が一番多かったとクラブ関係者が話してくれた。