甲子園の風BACK NUMBER
「自分たちの分まで甲子園、楽しんできてね」“中止ばかり”だった3年生からLINE…ブラバン解禁に浦和学院顧問「賛否両論あるのもわかりますが…」
posted2022/03/24 11:00
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph by
Yukiko Umetsu
雨天順延で1日遅れの開幕となった第94回選抜高校野球大会。制限はありながらも観客も入り、アルプススタンドにも応援団や吹奏楽部の姿が戻ってきた。
センバツ3年ぶりのブラバン。浦学顧問「希望者を募って…」
センバツでは3年ぶりの復活となる、吹奏楽部の生演奏。昨年は、新型コロナウイルス感染症対策で吹奏楽部の演奏は禁止になり、「事前に録音した応援曲を、阪神甲子園球場のスピーカーから流す」というかつてない試みが行われた。今大会でも、各地域の感染状況によっては甲子園に来られないというケースも考えられることから、場合によっては昨年同様録音音源での対応も行うというが、出場校32校中、吹奏楽部が来られず録音音源となったのはわずか2校。多くの吹奏楽部がアルプススタンドで応援曲を演奏した。
開幕戦の浦和学院(埼玉)は、吹奏楽部1、2年生が甲子園に駆けつけた。今回は、「演奏する生徒は50人以内」という制約があるが、同校吹奏楽部は現在56人で活動中。メンバーはどのようにして選んだのだろうか。吹奏楽部顧問の高畑圭史氏に聞いた。
「コロナ不安のある生徒もいるため、今回は希望者を募って37人での参加となりました。部員全員が初めての野球応援となりますが、1月から3月上旬まで休部だったこともあり、野球部とチアリーディングと一緒に練習できたのは一度だけです」(高畑氏)
“イベントほぼ中止”の3年生から「楽しんできてね」
合宿や文化祭での演奏など、さまざまな行事が中止となった同校吹奏楽部。感染者が出たため、参加できなかった大会もあった。現部員たちにとって、今回が初めての遠征となる。
部長の松澤麻子さんは、さまざまなイベントや行事が中止になった3年生の先輩から、「自分たちの分まで甲子園、楽しんできてね」とLINEでメッセージをもらったという。