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「アバウトさは相変わらず」高橋も戸郷も若手投手が伸び悩み…巨人・桑田真澄コーチが今やるべき“33年前、グアムキャンプの恩師の教え”とは
posted2022/02/27 17:03
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Sankei Shimbun
期待するからこそ言葉はキツい。
「相変わらず制球が厳しいですよね」
2月24日の楽天との練習試合。3回から2番手で登板した巨人・高橋優貴投手に桑田真澄投手チーフコーチの言葉は乾いていた。
それもそのはずだ。
この日の高橋は登板するといきなり先頭の西川遥輝外野手を歩かせ、2死二塁から和田恋外野手に外角ストレートを右前適時打されて1失点。さらに4、5回も2安打ずつ浴びるピリッとしない投球内容だっただけに桑田コーチの苦言は続いた。
戸郷について「アバウトさは相変わらず」
「彼はパワーピッチャーじゃないので、やっぱり制球力を上げていかないと……。去年はチームの勝ち頭ではあったけど、マークされてくるので苦しいですよね」
昨シーズンには入団以来初の2桁勝利となる11勝を挙げた左腕のピッチングをこう評すると、返す刀で槍玉に挙げたのが、若き右のエース候補・戸郷翔征投手だった。
「アバウトさは相変わらず」
こう切って捨てたのにはもちろん理由がある。
6回からマウンドに上がった戸郷もいきなり先頭の小郷裕哉外野手に四球を与え、そこから盗塁、安田悠馬捕手のタイムリー二塁打など5安打を浴び4失点。最後は和田の強烈なライナーを下腹部に受けて途中降板となった。
「彼には指摘してきたんだけど、いいところに投げて打たれたなら、納得なんですけど、2ストライクからど真ん中っていうのはあり得ないです」