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入社希望は500件!? 斎藤佑樹が明かす “代表取締役” 1年目の心境と、日本ハム新ユニフォームの感想「レプリカ買おうかな」 

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田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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photograph byTaichi Chiba

posted2022/02/18 11:03

入社希望は500件!? 斎藤佑樹が明かす “代表取締役” 1年目の心境と、日本ハム新ユニフォームの感想「レプリカ買おうかな」<Number Web> photograph by Taichi Chiba

充実した新生活を過ごす斎藤佑樹さん。新シーズンに向けて古巣の仲間たちへエールを送った

――先日、学生野球資格回復が認定されたことをSNSでも報告されていました。子どもたちや学生への指導については、どんなことを考えていますか? 部活動も徐々に変化を見せていますが、課題が多いのも現実です。

斎藤 いろんな方面から現状の話を聞かせてもらっていて、いろんな変化があるんだと勉強させてもらっています。ただ、どこの世界においても課題は付き物ですし、野球界はそれをネガティブなこととして捉え過ぎているという思いもあります。甲子園でも球数制限や日程に関する議論が行われますが、そこは高野連の方々が改善に向けて動いている。

 もちろん、(課題に)向き合うことは大切ですが、個人としては、楽しい部分をより伝えたい気持ちが強いですね。野球を通して楽しい未来を見せること、ワクワクを発信すること。そこのお手伝いはできるかなと思っています。

――甲子園で優勝、大学でも日本一、プロ2年目では開幕投手に。そんな素晴らしい経験をした反面、長い間ケガとも戦ってきたキャリアでした。両方を味わったからこそ、伝えられることが多いと思います。

斎藤 先日も医療に関するトークイベントでお話しさせていただく機会がありました。そういう場所で大事にするのは、「僕はこうでした」と経験則だけで語らないこと。ケガについても、しっかり研究されている先生方と一緒にエビデンスを見せながら話をすることが大切かなと思います。

 野球以外のことでもいいんです。たとえば親御さんに「リビングに蔵書を置いた方が良い育ちができるという研究がありますよ」と伝えたり、食生活について「こんな栄養素が足りていないよ」としっかりとした知識を提供するとか。そういう活動を通して子どもたちの可能性をもっともっと増やしてあげたい。そこに少しでも野球の要素を加えられたら、野球を続けてくれるきっかけになると思うので。

――競技人口の減少も課題の一つですよね。

斎藤 子どもが少なくなれば、スポーツをやる子どもが少なくなるのは当たり前で、正面から向き合ってもなかなか難しいと思います。しかも今はYouTubeなどを見れば、いろんな情報があるし、何でも挑戦できる環境があります。大事なのは、その選択肢の中に野球があることですよね。野球を知った上で、やらなくていいやと思うのは構わないけど、野球を知らないでその先に進まれるのは野球人としてはさみしいですから。

 これはあくまで1つの目標、夢でもあるんですが、将来的に野球場をつくりたいんです。単に野球の試合をやる場所だけでなく、スタジアムに訪れる機会をたくさん作れたら良いなと。以前にもありましたが、球場でキャンプとかイベントができたら子どもたちの一生の思い出になりますよね。そういったことも見据えて、いろんなことにチャレンジしていきたいです。

――スタジアム構想ですか。やりたいことが頭の中に溢れているのですね。

斎藤 そうですね。野球選手として応援してもらえていたことにすごく感謝していますが、野球を引退しても、「社会に対してちゃんと貢献できてるよね」と言っていただけるような活動ができたら、それはもっと喜ばしいことだなと思います。

――期待しています。ではこれからは、“ビジネス王子”ということで。

斎藤 いやいや。年齢的にも、もう“王子”は必要ないですね(笑)。

――失礼しました(笑)。これからも斎藤佑樹らしく突き進んでください。

斎藤 ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします!

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