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昭和のパ・リーグファンがケンカ、ダイエー選手バスに生卵投げつけ事件も…大阪で愛された“消えた野球場”「日生球場」、今は何がある? 

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鼠入昌史

鼠入昌史Masashi Soiri

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photograph bySankei Shimbun

posted2021/12/31 11:06

昭和のパ・リーグファンがケンカ、ダイエー選手バスに生卵投げつけ事件も…大阪で愛された“消えた野球場”「日生球場」、今は何がある?<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

1996年5月、日生球場でプロ野球最後の試合となった近鉄対ダイエー戦。翌97年に閉鎖されたが…日生球場、今は何がある?

 “昭和の大阪のパ・リーグファン”の空気がまだわずかに残っていた時代の物語、ということであろうか。こうした出来事の善し悪しはともかく(良いわけがないですしね)、大阪ドームよりは古い日生球場のほうが似合うエピソードである。

 そして近鉄が大阪ドームに移転した1997年の秋、全日本アマチュア野球王座決定戦が最後の公式戦になり、同年12月31日をもって日生球場は47年の歴史に幕を閉じた。

 高校野球から大学野球、社会人まで連日アマチュア野球で使われていた日生球場の閉鎖は、アマ球界に“死のロード”をもたらしたらしく、しばらく関西のアマ球界は球場確保に四苦八苦したという。古くなった日生球場も欠くことのできない存在であったことの証拠といっていい。

 跡地の開発も死のロード、というかなかなか進まず、バスの駐車場やマンションのモデルルーム、コインパーキングなど転々とし、2013年になってようやく開発計画が決定する。東急系列の東急スポーツオアシスが運営する「もりのみやキューズモールBASE」。2015年4月にオープンし、日生球場は文字通り跡形もなくなったのである。2004年をもって近鉄球団も消滅しており、まさに時代の渦に飲まれて消えた、日生球場はそんな野球場なのだ。

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 痕跡はもはやほとんど残っていない。「もりのみやキューズモールBASE」のすぐ南側にはエディオンやライフといった量販店・スーパーが建っていて、そこも元日生球場だ。

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