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「死ににいくようなジャンプ」を着氷するために…羽生結弦が全日本選手権で見せた“王者の貫禄”と込み上げた感情《北京五輪へ》 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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posted2021/12/27 17:09

「死ににいくようなジャンプ」を着氷するために…羽生結弦が全日本選手権で見せた“王者の貫禄”と込み上げた感情《北京五輪へ》<Number Web> photograph by Getty Images

全日本選手権SPの演技を行う羽生結弦。優勝を果たし、北京五輪の代表権を獲得した

「正直、6分間練習前から泣きそうで…」

 優勝が決まった後、羽生は改めてテレビカメラの前でこう語り始めた。

「正直、ほっとしています」そう言うと、ちょっと言葉を切ってこみ上げてくる感情を抑え込むようにしてこう続けた。

「正直、6分間練習前から泣きそうで……本当なんか、あと何回こういう景色が見られるだろうとか、今までの頑張ってきたこととか、いろんなことを思い出して……」

 この12月で27歳になった。期待以上の神がかった演技を見せてくれた羽生だが、永遠に競技を続けて行けるわけではもちろんない。

「とにかくアクセルって本当に難しいですけど、それよりも全部が『天と地と』というプログラムをちゃんとリスペクトした演技ができたので、良かったと思います」

北京五輪への思いとは

 ここに来るまで、北京オリンピックのことは明言を避けてきた。だがこうして正式に代表に選ばれて、どう感じているのか。

「そっか……」ふと気が付いたかのようにこう漏らすと、あっさりとこう述べた。

「これからも頑張ります。応援よろしくお願いします」

 SPのサン・サーンスは、実はソチオリンピック女王のアデリナ・ソトニコワがフリーで使った曲でもある。あれから女王は入れ替わり、今度の北京で再び新女王が誕生する。一方過去2回の王座を守ってきた羽生は、3度目のタイトルを手にするだろうか。

 素晴らしい闘いの舞台が待っていることは、間違いない。

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