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「すみません、この話をすると…(涙)」スポンサーのはずが今や熱いサポーター 浅田飴とトリニータの幸せな関係
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byJ.LEAGUE
posted2021/12/18 17:03
浅田飴の商品を手にしながら指示を送る片野坂知宏監督。大分トリニータ史を語るに欠かせない人物だ
“中の人”が最初不安だったワケ
取材に応じてくれたのはトップである堀内邦彦社長(写真)、広報担当の玉木卓さん、そして……
「あ、私が弊社の公式ツイッター担当なんですが、本名ではなく『中の人』と表現してもらえると嬉しいです」
いきなりキャラづけしてきた、中の人である。正直戸惑ったが、ここは設定を受け入れてツイート直後の社内の様子について聞いた。
「『スポンサーになってくれれば』というツイートに、我々のことを知ってくれているんだと、ありがたさを感じました。ただその一方で、大分トリニータさんにもご迷惑がかかる案件なのでは、と最初は思っていました」
中の人は当初、不安な気持ちもあったことを明かす。しかし素早い動き出しを見せたのはトリニータ側だった。
翌日には会社に連絡があり「最初は怒られるんじゃないかと思っていたんですが、ぜひ一度会ってお話がしたいとのことでした」と、その後も両社の思いが一致し、話は進む。そしてスポンサー契約が決まったこともあり、第33節・カマタマーレ讃岐戦とその前日練習に足を運ぶこととなった。
監督の人柄、温かさ、握手に受けたインパクト
そこで3人が大きなインパクトを受けたことがある。
片野坂監督の人柄やサポーターの温かさだ。
「練習にうかがったのですが、試合前日だったのでピリピリしたムードなのではないか、と気がかりではあったんですよ。それも我々のような"ぽっと出の者"が……と思っていたのですが、片野坂監督は向こうから『ああ、どうもどうも!』と来ていただいて、握手してくださいました」(堀内社長)
サッカーでは握手をかわす場面が数多くある。
例えばキックオフ前、両チームのキャプテンと主審が握手をかわしてからコイントスをする。タイムアップ直後もセンターサークル上で整列し、22人の選手と審判団が握手する……という感じだ。
そんな文化があるからか、サッカーに携わる人々は普段から握手する。つまり、自然と体に染みついているのだ。
それは堀内社長、中の人にとって全くの異文化だったのだ。