猛牛のささやきBACK NUMBER
難病と闘いながら守ってきたショートからセカンド転向…オリックス優勝の“陰の立役者”安達了一(33)が明かした本音とは?
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph bySankei Shimbun
posted2021/12/10 11:04
難病と闘いながらもショートの座を守り抜いてきたオリックス安達了一。今季は19歳・紅林の台頭もあってセカンドにコンバートされた
安達は2014年の優勝争いを知る数少ない選手の1人だ。その年はプロ3年目で初めて全試合出場を果たしたが、あと一歩、優勝には届かなかった。その後チームが再び低迷する中、病気と闘いながらオリックスを支えてきた。安達の苦難とチームへの献身を見てきたファンは、「安達がいるうちに優勝を」と願っていたことだろう。
今年、10年目で悲願の優勝を果たし、日本シリーズにも出場した。
しかし日本シリーズの最後の2試合、安達はベンチから外れた。
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今年も昨年同様、休養日を設けていたが、優勝争いの最終盤からは「出ます」と直訴して試合に出続けていた。だが日本シリーズの途中、体に異変を感じた。
「その前からちょっときつかったんですけど、『あと数試合だし、もうやるしかない』って気持ちでやっていました。でも急に来た。『あ、もう無理だ』と。いっぱいいっぱいでした。言いたくはなかったですけど、(監督に)言いましたね。最後出られなかったのは悔しかったです」
12月9日の契約更改には、元気な姿で現れ、「休んだのでもう大丈夫です。迷惑をかけたので、やっぱり体調管理はしっかりやらないといけない」と語った。
昨年を大幅に上回る100試合に出場し、優勝に貢献した功労者だが、球団からはダウン提示。「自分は試合数が少ない、規定(打席)にも達していないんで、そこは当たり前じゃないかなと思っていた。1年間出続けなきゃいけない立場でもあったので、そこはしょうがないですね自分は」と納得していた。
その上で複数年契約を結び、これからもオリックスとともに歩む。
「ああいうすごい試合ができるチームなんだって、(選手は)みんな思ったと思うし、見ているファンの方もたぶん思ったと思う。ああいう野球ができるというのがわかれば、もっとどんどん強くなると思います」
これからのオリックスに、そして自分自身に、安達は期待している。
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