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《エリ女》直近10年で“最低人気V”は7番人気のアノ馬だった…大ベテラン柴田善臣が強豪たちを破り「小さくガッツポーズ」できたワケ
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byAFLO
posted2021/11/13 17:02
2012年のエリザベス女王杯、ヴィルシーナ(左)ら強豪をおさえ、7番人気ながら優勝を果たしたレインボーダリアと柴田善臣
見たことない「小さなガッツポーズ」の真相
「なんとレインボーダリア!!」と実況の声が響いた次の刹那、競馬ファンの目に珍しい光景が映った。
レインボーダリアの鞍上で、柴田善騎手が小さくガッツポーズを披露したのだ。
10年の宝塚記念(GI)以来となる自身8度目のGI制覇がそれほど嬉しかったのかと問うと、かぶりを振って「本当は(ガッツポーズを)したくなかったんです」と口を開いた。
ではなぜ拳を握ったのか? 勝利ジョッキーは再び口を開いて、照れた口調で次のように言った。
「子供達が競馬場に来ていたんです。彼等に『せっかくのGIなんだからもし勝ったらガッツポーズくらいして』と言われていたから、まぁ、控え目にやらせてもらいました」
あれから9年の月日が流れたが、今年も重賞を勝利(メイショウムラクモのレパードS)するなど、ベテランジョッキーはまだまだ元気。そして、エリザベス女王杯にもコトブキテティス(牝4歳、美浦・田島俊明厩舎)で挑む予定だ。レイパパレやアカイトリノムスメら強い牝馬が名を連ねるが、9年前のようにまた大仕事を成し遂げるだろうか? 大ベテランの手綱捌きに期待したい。