濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「RIZINの中心は朝倉兄弟」朝倉海が語った“チームとしてのプライド” ボンサイ柔術との思わぬ苦戦で得た手応えとは?
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2021/09/22 17:02
9月19日のRIZIN.30にてアラン“ヒロ”ヤマニハに粘られながらも勝利した朝倉海
朝倉海の“苦戦”が意味するもの
勝った海は、恒例の大晦日大会で行なわれるGPファイナル(準決勝・決勝)に進む。ベスト4に残ったのは瀧澤謙太、扇久保博正、井上直樹と海。2回戦4試合のうち、KO、一本決着となったのは瀧澤vs元谷友貴だけだった。
「このトーナメントに出ている時点で、全員そんなに差はないんだと思う」
そう語ったのは、井上と大激闘を展開した金太郎。RIZINの榊原信行CEOは、コロナ禍で日本在住の選手だけの大会だったからこそ「自国での闘いでは譲れないものがあるんだと思います」と語っている。ましてRIZINという大舞台だ。誰もがいつも以上の力、精神力を発揮しても不思議ではない。
ファイナルの組み合わせはまだ決まっていないが、どこを強化し、何を修正するかが大きなポイントになるのは間違いない。海もヤマニハ戦について「修正点が見つかったので、ある意味よかった。最強の状態で大晦日に臨みたいです」と語っている。
もちろんそれは、GPで優勝するためだけではない。
「圧倒して勝ちたいので。優勝するのはもちろん、僕は対世界を目指してます。そう考えると、まだ実力不足。全体的にレベルアップしないといけない」
これまでの試合の結果が、海vsヤマニハというカードの実現へと導いた。今回の結果と内容も大晦日の闘いに影響を及ぼすだろう。そして大晦日は来年へとつながる。海はそこまで見据えており、そういう選手だからここまで結果を残してきた。今回の苦戦は、必ず朝倉海を強くする。
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