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「あなたを殺させるわけにはいかない」ミャンマー代表GK《難民認定》までの壮絶な経緯と支援者、J3クラブの厚い友情とは
text by
木村元彦Yukihiko Kimura
photograph byKentaro Takahashi
posted2021/09/18 17:01
Y.S.C.C.横浜のフットサルチームに加入したピエリアンアウン
「母親は車いすだから、国軍の支配の及ばないジャングルに逃げることは難しい。猛威を振るうコロナで亡くなることさえ覚悟している。それでも俺はピエリアンを助けたことを後悔はしていない」
今、ミャンマー国軍は暫定政府を立ち上げ、自分たちであらたな選挙を行うことも宣言している。独裁支配を既成事実化しようとしているのだ。民主派のNUG(国民統一政府)の側も武器を取り、国軍に対する戦闘開始を意味するD-Dayを宣言した。内戦状態に突入したミャンマーの混乱は収まる気配すらない。
それでもサッカーは、フットサルは、続く。Y.S.C.C.横浜のフットサルチームのトレーニングは早朝6時から始まる。ピエリアンアウンは、同居人であるラカイン民族(ミャンマーのアラカン州の少数民族=仏教徒)の若者タンと一緒に早起きをして、8月2日以降、休むことなく参加を続けている。
チームメイトたちはどう見て、どう受けとめているのか。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。