王位戦防衛、王将戦挑決リーグも大注目

　そんな中で豊島将之竜王・叡王との王位戦は4勝1敗で王位初防衛を果たしました。

　また12日、30日に行われた竜王戦挑戦者決定戦トーナメント決勝でも、永瀬王座に2勝して豊島竜王への挑戦権を手に入れました。

竜王戦挑戦者決定戦第2局の藤井二冠　©日本将棋連盟

「千日手王子」とABEMAの中継で紹介された永瀬王座の戦いぶりに、「詰将棋、乗り鉄、気象、パソコン自作」が好きな藤井二冠が巧みに対応……って、それぞれの紹介のクセがすごい（笑）。9月の叡王戦第5局、そして竜王戦の結果次第では最年少三冠、四冠も視界に入る19歳の戦いぶり、やはり必見です。

（3）9月の大注目は王将戦挑戦者決定戦リーグ戦

　今月のイラストで最後に取り上げるのは……9月の注目にしました。それは「王将戦挑戦者決定リーグ戦」です！　様々な記事から勉強しましたが、リーグ戦に参加できる人数が7人で、その年度に強い棋士が勢ぞろいし、また若手で凄く勢いがある人が参戦してくる可能性があるそうですね。そう言えば昨期は藤井二冠がまさかの3連敗スタートを喫する衝撃的な展開でした……それだけレベルが高いという証拠なんでしょう。

　今回のメンバーを見ると、今年も豪華だなと感じる次第です。

＜王将戦挑戦者決定リーグ戦出場棋士＞
永瀬拓矢王座／豊島将之竜王・叡王／羽生善治九段／広瀬章人八段
藤井聡太王位・棋聖／糸谷哲郎八段／近藤誠也七段

　7人中6人がタイトル獲得経験者、そして近藤七段は2019年2月の順位戦C級1組で、藤井二冠に対して順位戦で初めて黒星をつけた棋士として有名になりました。「棋士レーティング」が載っている「shogidata.info」というサイトがあるそうで、近藤七段について調べてもらったところ……現在10位の「1789」。2021年の対局成績は8月31日時点で23勝8敗、勝率74％とスゴい成績を残しています。

　年齢層を見ても10代の藤井二冠、20代の永瀬王座と近藤七段、30代の豊島竜王・広瀬八段・糸谷八段、そして50歳のレジェンド羽生九段と将棋界の奥深さを感じさせます。果たして渡辺王将への挑戦権を手に入れるのは――誰が勝ってもうれしいんですが、誰を応援すればいいのか分からなくなる悩ましさも感じながら（笑）、一局一局を堪能したいところです！（構成／茂野聡士）

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。