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大谷翔平「2カ月連続月間MVP」はもっと絶賛されるべき偉業… 少し打てないと騒がれるが「少ない好不調の波」と投手成績もエグい 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2021/08/06 11:02

大谷翔平「2カ月連続月間MVP」はもっと絶賛されるべき偉業… 少し打てないと騒がれるが「少ない好不調の波」と投手成績もエグい<Number Web> photograph by Getty Images

現地時間4日のレンジャーズ戦でも好投した大谷翔平。打者としても本塁打王争いトップをキープし、いよいよ二刀流の凄みが増している

大谷なら「3カ月連続」も不可能ではないのでは

1978年8、9月ナ:デーブ・パーカー(パイレーツ)
1985年8、9月ア:ドン・マッティングリー(ヤンキース)
1987年4、5月ナ:エリック・デービス(レッズ)
1988年4、5月ナ:ボニー・ボニーヤ(パイレーツ)
1992年5、6月ア:カービー・パケット(ツインズ)
1995年8、9月ア:アルバート・ベル(インディアンス)
1996年8、9月ナ:ケン・カミニティ(パドレス)
1998年4、5月ナ:マーク・マグワイア(カージナルス)
2002年7、8月ア:アレックス・ロドリゲス(レンジャーズ)
2003年5、6月ナ:アルバート・プホルス(カージナルス)
2006年8、9月ナ:ライアン・ハワード(フィリーズ)
2008年4、5月ア:ジョシュ・ハミルトン(レンジャーズ)
2010年7、8月ア:ホセ・バティスタ(ブルージェイズ)
2011年4、5月ア:ホセ・バティスタ(ブルージェイズ)
2012年4、5月ア:ジョシュ・ハミルトン(レンジャーズ)
2012年6、7月ナ:アンドリュー・マカッチェン(パイレーツ)
2012年8、9月ナ:チェイス・ヘッドリー(パドレス)

 現行制度において、大谷翔平は17人目18回目ということになる。

 このほか投手だとボブ・ギブソン(カージナルス)が1968年6、7月に獲得。ほかにもバリー・ボンズは1992年9月と年をまたいだ1993年4月に月間MVPを獲得した(前年はパイレーツ所属だったが、翌年はジャイアンツ所属だった)。また1997年9月と翌1998年4、5月にはカージナルスのマーク・マグワイアが連続で獲得している。

 日本人では2004年8月にイチロー(マリナーズ)、2007年7月に松井秀喜(ヤンキース)が受賞している。月間投手MVPは1995年6月、96年9月に野茂英雄(ドジャース)、1998年5月、99年7月に伊良部秀輝(ヤンキース)、2014年5月に田中将大(ヤンキース)、2020年8月にダルビッシュ有(カブス)が受賞している。

 蛇足ながら、唯一2回の「連続月間MVP」を獲得したホセ・バティスタは、40歳になる今年、ドミニカ共和国代表として東京五輪に出場し、8月3日のイスラエル戦ではサヨナラ安打を打っている。

 月間投手MVPは2004年7~9月にヨハン・サンタナ(ツインズ)が3カ月連続で受賞しているが、野手では同一シーズンでの3カ月連続はまだいないだけに、8月の大谷にはその期待がかかる。さらに二刀流・大谷翔平の登場で、野手と投手の月間MVPを同時受賞するケースも考えられるようになった。

今後重要になるのは「適度な休み」だろう

 現地時間4日のレンジャーズ戦でも先発で6回1失点と好投し、今季6勝目を挙げた。今季の大谷翔平はここまで大きな波がなく、安定した成績を残している。ただ、今後重要なのは「休み」になるだろう。

【次ページ】 空前の成績を尻切れトンボにしないためにも

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