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大谷翔平「2カ月連続月間MVP」はもっと絶賛されるべき偉業… 少し打てないと騒がれるが「少ない好不調の波」と投手成績もエグい

posted2021/08/06 11:02

 
大谷翔平「2カ月連続月間MVP」はもっと絶賛されるべき偉業… 少し打てないと騒がれるが「少ない好不調の波」と投手成績もエグい<Number Web> photograph by Getty Images

現地時間4日のレンジャーズ戦でも好投した大谷翔平。打者としても本塁打王争いトップをキープし、いよいよ二刀流の凄みが増している

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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 連日行われている東京五輪野球競技を追いかけていると、こうした国際大会は「短距離」で、ペナントレースは「長距離」あるいは「耐久レース」だとしみじみ思う。そんな中で大谷翔平が6月、7月とア・リーグの月間MVPになったが、これは相当すごいことなのだ。

 今季の大谷は「好不調の波」が少ない。月間打撃成績を見てみよう。RCは打撃の総合指標。カッコ内はア・リーグでの順位で、打率は規定打席以上。Tはタイ。

4月 23試合
92打26安8本(2T)19点(7T)3盗(15T) 率.283(19) RC18.28(11)
5月 27試合 
94打23安7本(8T)21点(11)4盗(7T) 率.245(53T) RC17.92(20)
6月 25試合 月間MVP
81打25安13本(1)23点(5)4盗(9T) 率.309(18) RC27.56(3)
7月 23試合 月間MVP
85打24安9本(1T)19点(8)4盗(6T) 率.282(24) RC21.48(1)

 MLBはア・リーグだけで15球団ある。1打席以上打席に立つ選手だけで毎月250人近くいる中での順位だ。大谷は4カ月ともコンスタントにリーグトップクラスの成績を残していることが分かる。そして6月からはさらに上昇している。

毎月3~4盗塁しているのも恐るべき成績

 7月はオールスターブレークがあったために試合数が少なく、積み上げ型の本塁打、打点、RCなどの数字は前月に及ばないが、連続MVPに選ばれるだけの数字は残していると言えよう。

 なおあまり目立たないが、毎月3~4盗塁しているのも実はすごいことだ。現時点で大谷は15盗塁でリーグ8位。「投手で盗塁」は「投手で本塁打」以上にレアな記録だ。

<7月のア・リーグRC5傑>
1 大谷翔平(エンゼルス)
 21.48(9本19点4盗.282)
2 J.ポランコ(ツインズ)
 20.76(6本20点3盗.327)
3 E.ヘルナンデス(レッドソックス)
 20.72(6本15点0盗.274)
4 J.キャンデラリオ(タイガース)
 20.34(3本14点0盗.309)
5 R.デバース(レッドソックス)
 19.81(8本20点0盗.310)

 ちなみに大谷と本塁打争いをしているブルージェイズのゲレーロJr.は、16.88(7本17点0盗.286)で13位だった。

【次ページ】 7月は「投手・大谷」の数字が明らかによくなった

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