大関・朝乃山と番記者が一緒に“深夜外出した”問題…他紙デスクに聞く「番記者の関係は近すぎたのか？」

朝乃山は1年間、私的外出禁止になる？

佐藤　ところで朝乃山への処分ですが、厳密に言うと”謹慎”との文言は文書にはなく、あくまでも”出場停止”なんです。ケガなどで休場する力士は、次の場所に出場するまでの期間、治療以外の外出はできないのが相撲界の不文律＝慣例だったと思うんですけれど。それこそ「稽古だけして1年間、一切の私的外出は禁止」となるんでしょうか？

能町　私もついつい”謹慎処分”という言葉を使ってしまっていましたが、そうか！　考えてみたら違うんですよね。

佐々木　今後どこまで行動を制限されるのか、そこははっきりわからないんですよ。処分の文言だけ見ると”出場停止”なんです。阿炎の時は文書のなかで、「住居を錣山部屋に移して」と書かれていた。「ちゃんと部屋にいなさいよ」と念押しされていたんですよね。今回の朝乃山に関しての処分文書を読む限りでは、そこは曖昧なのかな、と。「部屋に閉じこもっていなければならん」というところまで踏み込んで書かれてはいないんです。

能町　私、阿炎の処分の時にすごく嫌だったのは、家族にまで影響が及ぶことでした。他のスポーツだと、謹慎してもおそらく私生活までは左右されない。でも、阿炎の場合は、新婚でお子さんも生まれたばかりなのにわざわざ部屋に呼び戻して家族と別居させて。奥様と子供はどうなるんだ、と。処分が家庭に及ぶなんて、それこそ人権問題じゃないかと思ったんです。

好角家として知られるコラムニストの能町みね子氏　©Hideki Sugiyama

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佐々木　そこは能町さんの言うとおりで、「ここまでとは……。ちょっとやり過ぎではないか」という感じも確かにありました。やはり、阿炎もキャバクラ問題だったんですが、当時、休場していた幕下力士を店に誘い、彼と口裏を合わせての虚偽報告と、SNS不適切投稿などもあり、けして外出禁止を破っただけでの処分ではない。なんだか、こう説明していると、私が協会の厳罰論を支持しているように聞こえそうですけど、けしてそうではないんですよ！　ただ、こういう問題を論じる時にはその背景を正しく認識しておくことは大事なので。

相撲協会の調査は「“警察の捜査”かというレベル」

能町　もちろんです。単純に「相撲界はキャバクラに行っただけで処罰されるのか！」という問題じゃないんですものね。

佐藤　協会側も調査を重ね、かなり時間を掛けて処分を下した印象があります（※問題発覚は5月19日、6月11日に処分決定）。

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