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「ウマ娘」爆発的人気の理由? 「目の肥えた競馬ファンでもうなる」“3つのキャラクター設定の妙”
posted2021/05/09 11:01
text by
河村鳴紘Meikou Kawamura
photograph by
©Cygames, Inc./Keiji Ishikawa
約3カ月で600万ダウンロードを突破した人気スマホゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」。競馬ファンからすれば、スペシャルウィークやトウカイテイオーが美少女化されたことも驚きですが、「作った会社は月100億円を稼いでいる」と聞くと、興味がわくのではないでしょうか。
スマホゲームが話題ですが、2018年と今年に放送された2回のテレビアニメも、同作を見た競馬ファンに聞くと口をそろえて評価していました。元々ドラマチックな競馬のエピソードをアニメのストーリーに落とし込むと同時に、多彩なキャラクター(ウマ娘)たちが特徴的に生き生きと描かれているからです。
「ウマ娘」のサイトのキャラクター紹介ページ(https://umamusume.jp/character/)には70人以上がずらりと並んでいますが、身長や誕生日、勝負服、特徴も細かに解説されています。いずれもリアルの競走馬のエピソードに沿っていて、目の肥えた競馬ファンでもうなるような設定になっているのです。
今回は、「ウマ娘」の秀逸すぎるキャラクター設定の妙をご紹介します。
その1)外見にもしっかり「元ネタ」がある
キャラクターの見た目、カラーリングを見て、ネタが分かるでしょう。サイレンススズカやキングヘイローであれば現役時代のメンコ(覆面)に合わせて緑。スペシャルウィークもメンコや騎手の勝負服の紫にしています。
競走馬の毛色も、キャラの髪の色に反映。ビワハヤヒデやメジロマックイーンのような芦毛(あしげ)はグレーに、マヤノトップガンやグラスワンダーの栗毛はブラウン、ナリタブライアンやエルコンドルパサーなどの黒鹿毛(くろかげ)は黒に寄せていますね。しかも馬の顔の白い模様までも取り込んでいます。シンボリルドルフやトウカイテイオーなどは前髪の一部だけワンポイントで白くしています。細かい!
全体のデザインもそうですね。例えばライスシャワーは、ミホノブルボンの三冠やメジロマックイーンの天皇賞・春3連覇を阻止しています。黒で統一されたデザインになっていて、「刺客」の雰囲気満載です。そして宝塚記念で予後不良になったこともあってか、悲壮感が漂うキャラクターになっています。
また競走馬も、人と同様に体格差がありますが、「ウマ娘」でも競走馬の体格に合わせてキャラが作られています。タマモクロスやライスシャワー、ハルウララは小柄ですし、タイキシャトルは大柄です。現役時代にもその巨体で話題になったヒシアケボノは、「ウマ娘」でも存在感がありすぎて(設定では180センチ)、「遠近感が狂う」などゲームファンの間で話題になりました。
その2)古参ファンも納得の「ライバル設定」
見た目に加え、ライバル同士がいるのもポイントです。コンビ的な扱いにしていることで、互いが際立つようになっています。