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25歳プロ8年目で掴んだ開幕投手、ロッテ二木康太に問う「エースとは何か?」…マスターズ松山英樹を見てよみがえった10歳の記憶とは?
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph bySankei Shimbun
posted2021/05/01 11:01
1日楽天戦での先発復帰が決まったロッテ二木。エースとして自覚をもってシーズンに臨む
昨年はシーズン後半から調子を上げ、8月29日のオリックス戦(京セラ)から10月16日の日本ハム戦(ZOZOマリン)まで6連勝。ひとつ負けを挟んだが10月31日の楽天戦(ZOZOマリン)と11月7日のオリックス戦(ZOZOマリン)で再び連勝と疲労が出てくるシーズン終盤の2カ月半の間で8勝を挙げた。
一軍の先発ローテを任されるようになって5年。シーズン中の過ごし方も年々磨かれつつある。
「シーズン序盤から中盤にかけては身体の状態を見ながら、出来る内にしっかりと(トレーニングを)やっておこうと思っています。終盤はどうしても疲れがくるので、そこで量を落とすなり対応して、シーズンをなんとか乗り切る。一軍で出始めた頃は本当に何も分からずに、ただ全力でガムシャラにやっていたのですが、ここ最近は強弱をつけられるようになったというか、少し変わったかなとは感じています」
二木にとって「エース」とは何か?
今季からカード頭を任されるようになって、新たな“気付き”もあった。
「相手チームに調子の良いバッターを作らない」
4月9日の埼玉西武戦でプロ6年目の愛斗にプロ入り初本塁打を打たれ、その3連戦で乗せてしまったことを改善点と捉え、教訓とした。
そんな二木に「エースとは何か」という問いをあえて振った。すると彼はこう返した。
「うーん……なんですかね。エースが何かは分からないですけど、涌井さんと一緒にやらせてもらった中で、本当に背中で引っ張って行くタイプだなと思っていました。僕が困ったときにアドバイスをしていただいたりもありましたし、やっぱりそういうところを見ていて凄いピッチャーだなと感じました。ただ、今の自分が同じようなことを出来るかといったらちょっと難しいと思うんです。俗にエースと呼ばれるようなピッチャーには、まだなっていないのかなと思います」