酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
阪神・佐藤輝明とDeNA牧秀悟が新人王どころか本塁打王争い? 今のペースなら“清原、長嶋超え”も【週刊セパ記録】
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKiichi Matsumoto/JIJI PRESS
posted2021/04/27 11:03
すでにそれぞれ6本塁打をマークしている佐藤輝明と牧秀悟。チームは首位と最下位で好対照だが、2人の打棒はどこまで続くか
清原とともにシーズン31本塁打の新人は?
<新人での本塁打記録10傑>
31本 桑田武(大洋)/1959年(中央大)
31本 清原和博(西武)/1986年(PL学園)
29本 長嶋茂雄(巨人)/1958年(立教大)
27本 豊田泰光(西鉄)/1953年(水戸商)
26本 森徹(中日)/1958年(早稲田大)
25本 村田修一(横浜)/2003年(日本大)
22本 深見安博(西鉄)/1950年(西日本鉄道)
22本 田淵幸一(阪神)/1969年(法政大)
22本 原辰徳(巨人)/1981年(東海大)
22本 石井浩郎(近鉄)/1990年(プリンスホテル)
佐藤、牧ともに、1959年の桑田武、1986年の清原和博が記録した31本塁打を上回る可能性がある。
佐藤は近畿大学時代、関西大学野球連盟記録である14本塁打を記録、昨年のドラフトでは4球団が1位指名し、地元阪神への入団が決まっている。昨年のドラフトの目玉であり、期待感は高かった。
牧は中央大学時代、首位打者、MVPには輝いているが通算本塁打は5本。昨年のドラフト2位でDeNAに入団。佐藤に比べれば地味で、どちらかと言えばシュアな好打者という印象だったが、DeNA入団後は長打を連発している。
新人がそろって30本塁打以上は歴史上ない
同じ年に新人がそろって30本塁打以上を記録するとなれば史上初である。
20本以上に範囲を設定すると、1950年の深見安博(西日本鉄道→西鉄22本)、樋笠一夫(大西製紙→広島21本)、戸倉勝城(大洋漁業→毎日21本)、1958年の長嶋茂雄(立教大→巨人29本)、森徹(早稲田大→中日26本)、1969年の田淵幸一(法政大→阪神22本)、有藤通世(近畿大→ロッテ21本)、1981年の原辰徳(東海大→巨人22本)、石毛宏典(プリンスホテル→西武21本)の4例があるが、いずれも選手層が薄かった昭和の記録だ。
そもそも現在では新人がいきなり一軍で本塁打を打つこと自体が大変なことだ。昨年、新人が記録した本塁打は、小深田大翔(楽)3本、佐藤都志也(ロ)大下誠一郎(オ)柘植世那(西)が2本、樋口龍之介(日)と蝦名達夫(De)が1本の計11本だった。