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村上宗隆に続く“清宮幸太郎の外れドラ1”覚醒か? ロッテ安田尚憲がクラッチヒッターに進化中【週刊セパ記録】
posted2021/04/13 06:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News
4月11日までにセ・パ両リーグは88試合を消化したが、このうち12試合が引き分け。筆者は9回打ち切りによって10%程度が引き分けになると予測したが、現時点でそれを上回る13.6%が引き分けだ。このペースで行くとすれば、ペナントレースの戦い方は変わってくる。
NPBのペナントレースは、最終的には「勝率」で順位が決まる。引き分けがないリーグ戦では「勝率=勝数」だ。MLBはまさにそうだが、引き分けが多いリーグ戦では、勝数よりも「負けないこと」が重要になってくる。
1982年のセ・リーグは、試合時間が3時間以降は新しいイニングに入らない、ダブルヘッダーは9回までという規定で、引き分けは390試合で38試合もあった。
その結果、勝利数3位の中日が勝率1位となって優勝した。
中日 130試64勝47敗19分 率.577差--
巨人 130試66勝50敗14分 率.569差0.5
阪神 130試65勝57敗8分 率.533差4.5
19もの引き分けがあった中日が、勝ち星は3位ながら敗戦数が最も少なく、ペナントレースを制したのだ。
今季もすでに何人かの監督から「負けなくてよかった」という声が上がっているが、9回になって同点だとベンチにも観客席にも「引き分けか」という空気が漂うようになりつつある。
「引き分け狙い」の試合が増えれば、試合の興趣は殺がれる。指揮官もそうだが、特に9回に出場する選手は「勝ち」を意識して試合に臨んでほしいものだ。
マーティンが1週間で4本塁打をマーク
<4月5日から4月11日の両リーグ、投打の好成績選手>
〇パ・リーグ
打撃 ※RCは打撃の総合指標
辰己涼介(楽)24打10安3本9点1盗 率.417 RC9.80
マーティン(ロ)23打9安4本7点 率.391 RC8.59
栗原陵矢(ソ)20打7安1本6点 率.350 RC5.75
浅村栄斗(楽)22打8安3点 率.364 RC5.25
松田宣浩(ソ)24打8安1本3点 率.333 RC5.17
ロッテのマーティンは今週リーグ1位の4本塁打、7打点。4月10日の西武戦では2打席連続となる1試合2本塁打を放っている。
前週までもたついていたソフトバンクは栗原、松田と好調な選手が出てきたこともあり、今週は4勝2分けと負けなしだった。
西武の源田壮亮は、今週6試合で4盗塁。今季すでに6盗塁で失敗なし。ソフトバンクの周東佑京が2盗塁2盗塁死、日ハムの西川遥輝が3盗塁2盗塁死、西武の金子侑司が3盗塁5盗塁死と盗塁王経験者が苦戦する中で、トップに立った。ルーキーイヤーから3年連続で30盗塁をマークしていた源田だが、2020年は18盗塁。まさに「長足の進化」といったところか。