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タイガー・ウッズ不在のマスターズ、主役はゴルフ界の“中心”にいるあの大男? <たった2年でシャツがM→XXLに> 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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posted2021/04/07 06:02

タイガー・ウッズ不在のマスターズ、主役はゴルフ界の“中心”にいるあの大男? <たった2年でシャツがM→XXLに><Number Web> photograph by Getty Images

ゴルフ界の話題の中心にいるデシャンボー。マスターズでも圧倒的な飛距離を武器に主役になれるか

 蛇足だが、3月にはこれまた過去の事例があるようで、最先端を走るエピソードがあった。「NFT」というブロックチェーン技術をつかったトレーディングカードをプロゴルファーとしてはじめて発売した。

 このデジタルカードは、所有者の履歴がハッキリしていることから偽造されにくく、永続的な売買が可能な長所がある。新たな資産としても注目され、NBAではすでに市場ができあがった。レブロン・ジェームズのカードが2000万円以上で売り出され、すでに億単位の高値がついている。

並み外れた飛距離がルールを変える?

 プロゴルファーは世界各地に数多くいるが、トレンドや潮流といったものはごく少数の選手によってつくられる。ときにそれは、なんだか合理的な説明を欠いているように思われることもある。かねて叫ばれていた、既存のゴルフコースとゲーム性の保持という観点から、ゴルファーの飛距離を抑制するという問題は、デシャンボーが昨年全米オープンで優勝してから話が再燃。USGAとR&Aは温めていた対策案を今年2月に発表した。

 最近でいうと、2016年の中長尺パターの打ち方に関するルール規制が思い出される。その数年前からキーガン・ブラッドリー、ウェブ・シンプソン、アダム・スコットら、通常よりも長いパターを使う選手たちが立て続けにメジャー勝ったことが要因のひとつと言ってよかった。規則の変更ひとつとっても“出る杭”が対象になりうる。

 ルールがこの先どうなるかということをさておいても、周りの選手たちこそがデシャンボーの動向には敏感だ。ロリー・マキロイは3月、不振続きの理由にスイングを崩したことを挙げ、「全米オープンでブライソンがやったことと関係ないと言えばウソになる」とデシャンボーのパワーアップに刺激されて改造に取り組んでいたことを認めた。

【次ページ】 出力が大きければそれだけ身体にかかる負担も大きい

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ブライソン・デシャンボー

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