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女帝トゥクタミシェワ24歳が世界フィギュアで銀…2度オリンピック代表を逃し、北京でリベンジなるか 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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posted2021/04/01 11:02

女帝トゥクタミシェワ24歳が世界フィギュアで銀…2度オリンピック代表を逃し、北京でリベンジなるか<Number Web> photograph by Getty Images

ストックホルムでの世界選手権で銀メダルに輝いた女帝トゥクタミシェワ

2015年のリベンジが始まった

 翌シーズン、トゥクタミシェワのリベンジが始まった。18歳になっていたトゥクタミシェワは、ジュニアの当時から練習していた3アクセルをプログラムに組み込んできたのだ。初戦のスケートアメリカでは2位だったが、その後出場した主要な大会すべてで優勝。初めてGPファイナル、欧州選手権のタイトルを手にし、上海世界選手権ではSPで3アクセルを成功させて、ついに世界の頂点に立った。ちなみにこのシーズンは、ソトニコワは怪我で、リプニツカヤも調子を崩して世界選手権には出場していない。

 ところが翌シーズン、トゥクタミシェワはロシア選手権で8位に終わる。欧州選手権も世界選手権も、タイトルを守るために出場することは叶わなかった。代わりに2016年の欧州タイトル、世界タイトルを手にしたのは、当時16歳だったエフゲニア・メドベデワだった。

 翌シーズンのロシア選手権は7位に終わり、またしてもオリンピックの代表選考に漏れた。平昌オリンピックでは周知の通り、15歳のアリーナ・ザギトワが金メダル、メドベデワが銀メダルを手にした。

 21歳になっていたトゥクタミシェワは、もはやロシア女子の中でトップに這い上がるのは現実的に厳しそうだった。

ロステルコム杯優勝で、GPシリーズを制覇

 2019年秋には、また新たな世代のロシア女子ジュニアがシニアに上がってきた。アリョーナ・コストルナヤ、アレクサンドラ・トゥルソワ、アンナ・シェルバコワ。ジュニアの大会で取れるメダルを全て取ってきた、エテリ・トゥトベリーゼコーチの秘蔵っ子たち「3人娘」である。予想通り3人はシニアGPシリーズの金メダルを2個ずつ手にし、GPファイナル、そして欧州選手権で表彰台を独占した。モントリオール世界選手権もこの勢いで行くのかと思った矢先の、新型コロナウイルスパンデミック発生だった。

 そんな中、トゥクタミシェワはわき目もふらずに着実にトレーニングを続けていった。

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