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高橋尚子の現役時代に厚底があったら…どんなタイムが出た? 川内優輝34歳「薄底マイナス2分くらいの力が出ますよ」

posted2021/04/05 11:03

 
高橋尚子の現役時代に厚底があったら…どんなタイムが出た? 川内優輝34歳「薄底マイナス2分くらいの力が出ますよ」<Number Web> photograph by JMPA/AFLO

2000年シドニー五輪で金メダルを獲った高橋尚子(左)/今年2月のびわ湖毎日マラソン2時間7分27秒と8年ぶりに自己ベストをマークした川内優輝

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杉本亮輔

杉本亮輔Ryosuke Sugimoto

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JMPA/AFLO

 世界を制した高橋尚子と、世界を駆けてきた川内優輝。「モチベーションスイッチ」をテーマにした3月30日発売の『Number Do』でマラソン界のトップランナー2人による夢対談が実現した。走力だけではなく、トーク力も抜群の両者。手書きの練習日誌へのこだわりから、日々走るためのモチベーション、果ては温泉のことまで話は広がった。

 あふれ出る言葉のいくつかは惜しくも誌面からこぼれ落ちたが、このままお蔵入りさせてはならぬ、と思わされるような貴重なやり取り。誌面では紹介しきれなかった部分には、厚底シューズについて熱く語り合う2人のやり取りもあった。アシックスからは3月30日に厚底シューズ『METASPEED』が発表されたばかり。このシューズを履いて走った2人の感想を“番外編”として公開しよう。

高橋 川内君がびわ湖毎日マラソンで厚底を履いて8年ぶりに自己ベストを更新(2時間7分27秒)したのを見て、私も初めて厚底を履いてみたの。すごく良かった! 疲労度がこれまでとまったく違っていて、足への負担が少なくて『こんなに走ったのに疲れていない!』って驚きました。

川内 最近、練習日誌には厚底と薄底、どちらを履いて走ったかを書くようにしています。1000mのインターバルをすると、厚底と薄底では余裕度がまったく違うので。日誌を見た時にどっちを履いていたか分かるようにしておかないといけません。

高橋 シューズの前の方がなだらかに下っている形だから、力を使わなくても足を前に出せるよね。流しを何本かしてみたんだけど、今までのシューズなら筋肉をばんばん使って出していたようなスピードに、一度リズムに乗ってしまえば半分くらいの力で走れると感じました。川内君が感じた薄底との違いは?

川内 これまでと同じ走り方をしていると進んでいかない、ということですね。厚底に合わせた走りをするための強化が必要です。厚底で練習していると、薄底では張らない太ももの裏側に張りを感じました。一方で、ふくらはぎはあまり使わないので、トレーニングで『カーフレイズ』をするくらいなら『レッグカール』をした方が走りにつながるのかなと思いました。

「薄底を履いた時マイナス2分くらい」

高橋 履きこなすための努力もしたから、びわ湖で2時間7分27秒の自己ベストが出たんだよね。厚底を履いたことで何か新しい世界が見えたんじゃない?

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