沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
古川奈穂20歳、永島まなみ18歳が藤田菜七子以来の女性騎手デビュー “負傷で留年”にも負けない根性と“父の夢”
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph bySankei Shimbun
posted2021/03/05 06:00
2019年、女性騎手候補生だった永島まなみ(左)と古川奈穂(右)は藤田菜七子と併せ馬で“共演”していた
女であることを隠して修業した斉藤すみ
1996年、JRAで初めて女性騎手がデビュー(細江純子、牧原由貴子、田村真来)してから25年。四半世紀のときが流れた。胸をさらしで押しつぶし、女であることを隠して修業した斉藤すみが、日本で初めて女性として騎手免許を取得したのは今から85年前、1936年のことだった。「女性は風紀を乱す」として実戦での騎乗は認められなかったが、斉藤による第一歩があったから、今、女性騎手たちが活躍する場があると言える。
地方競馬には、日本の女性騎手最多の通算930勝(2月終了時、地方競馬のみの数字)を挙げている名古屋の宮下瞳、木之前葵、高知の別府真衣、佐賀の岩永千明など、一線級で戦う騎手が複数いる。
また、海外、特にニュージーランドでは、来日経験のあるリサ・クロップやリサ・オールプレスが男性相手にそれぞれ複数回リーディングジョッキーとなるなど、女性騎手の華々しい活躍が目立つ。
フランスでは、当初は2キロだった女性騎手の減量が、2018年3月から平地は1.5キロに引き下げられた。女性騎手の勝ち鞍が急激に増えたため、「アドバンテージが大きすぎる」という男性騎手らの声を反映させたがゆえの措置だ。日本でも、男性騎手から「女性騎手の減量を引き下げるべきだ」という声が出るほど女性騎手が活躍するようになるだろうか。