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西野朗、内田篤人はどう“異文化コミュニケーション”を実践? タイ在住日本人指導者が語る“言語の壁”の乗り換え方
posted2021/01/25 17:00
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
海外組という言葉は真新しいものではないかもしれない。サッカー界で言えば、多くの選手が様々な国へ渡り、活躍の場をつかみ、さらに上のステージへ辿り着くために必死で戦っている。
ワールドワイドに広がるネットワークの中、多くの日本人選手の名前が挙がっては消えていく。それでも彼らはチャンスが訪れる瞬間を虎視眈々と待ち続けている。絶対に取り逃さないように、細心の準備をしながら。
選手だけでなく指導者も“海外組”の時代
選手だけではなく、指導者も同じだ。一昔前から多くの日本人指導者が海を渡っている。サッカーをはじめとしたスポーツ先進国のメソッドを吸収するために、それこそ寝食忘れてサッカーのことだけを考えている方々も少なくはないだろう。
僕たちは、どの国、どのクラブ、どのカテゴリーという所属先で、選手や指導者の価値を決めてしまいがちだ。
何歳で、どの国の、どのリーグの、どのチームに移籍したか。すぐにレギュラーを取り、主力となって大活躍して、さらに格上のクラブへ移籍していく、そんなブレイクスルーを果たす理想のステップアップばかりを思い描いていないだろうか。
どんな国であっても、慣れ親しんだ母国を離れ、異国の地で戦うことは簡単ではない。彼らの多くは選手、あるいは指導者として、人として、絶えず自分と向き合い、どうやって成長していこうか、どうやって道を切り開こうかと奮闘している。
そうした日々がもたらすものは、決して小さくない。
タイで監督を歴任する滝雅美
タイ・プレミアリーグに所属するチェンライ・ユナイテッドに監督として迎えられて、AFCチャンピオンズリーグでは日本人監督として初めて海外のクラブを率いて本戦出場を果たした滝雅美(現ラヨーンFC監督)に、海外で指導する意味について話を聞いてみた。