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秋のマスターズ、“無表情の男”が溢れる涙で「しゃべれない…」世界1位ダスティン・ジョンソン初制覇
posted2020/11/16 17:01
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Getty Images
「ゴルフの祭典」マスターズがコロナ禍の影響で4月から11月へ延期され、史上初の「秋の祭典」となった今年。
無観客のオーガスタ・ナショナルで勝利に輝いたのは、36歳の米国人選手、世界ナンバー1のダスティン・ジョンソンだった。表彰式でグリーンジャケットを羽織ったジョンソンが、マイクを握り、TVインタビューに応え始めた。
「ドリーム・カム・トゥルーだ。子供のころからマスターズ・チャンピオンになることをずっと夢見て……」
そこまで言って、感極まり、涙が溢れた。
「信じられない……ハードワークを積んで、素晴らしいチームに支えられて……」
涙をどうにかこらえて、しゃべろうとすればするほど、再び涙が込み上げ、言葉を詰まらせた。
「ああ、しゃべれない……」
無表情だったジョンソンの涙
これほどエモーショナルなジョンソンを見たことはあっただろうか? うれし涙であれ、悔し涙であれ、彼が涙する姿をこれまで見たことはあっただろうか?
どんなときもジョンソンは淡々としていた。勝ったときも、負けたときも、ポーカーフェイスで無表情ゆえ、「DJは面白みがない」と陰口さえ叩かれてきた。
そんなジョンソンが顔を真っ赤にして泣いたことは、彼にとってマスターズ優勝の意味が、それほど深く大きなものであったことを物語っていた。