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ロッテ絶対不利のCSでも…美馬学は“ソフトバンクキラー”「チームを背負ってるから、必死(苦笑)」
posted2020/11/14 11:00
text by
田口元義Genki Taguchi
photograph by
JIJI PRESS
美馬学の成績は、不思議とチームの結果となって反映されることが多い。
戦歴を紐解けば一目瞭然である。
楽天時代の2013年。先発ローテーションとしてシーズン6勝をマーク、チームは初のリーグ優勝を遂げた。なによりポストシーズンでは、クライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージで1試合に登板し完封。日本シリーズでも2戦2勝、11回2/3を投げ無失点で日本一に貢献し、先発、抑えとフル回転したエース・田中将大を押さえてMVPに輝いている。
17年は、自身初の2桁勝利となる11勝を挙げチームも3位となり、優勝した13年以来となるCS進出。8勝ながら投手陣で唯一、規定投球回に到達した昨年も、楽天は3位でシーズンを終えCSへと駒を進めた。
「僕が悪いとチームもダメなんです」
そして今年。FAでロッテに移籍して1年目のシーズンで10勝をマークした。チームも最終盤までCS圏内である2位を西武と争い、生き残った。
これほどまで自身とチームの成績が直結する投手も珍しい。それだけに、美馬本人も否が応でも意識せざるを得ないわけである。
「僕が悪いとチームもダメなんです」
かつてそう切り出しながら、直面する奇縁を受け入れるように話していた。
「だから毎年、すげぇ必死なんです。僕が勝てばチームの順位が上がるし、負け始めるとドドドドって落ち始める。自分で言うのも変だけど、チームの順位を背負ってるから、本当に必死(苦笑)。負けないようにって」