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「他のベテラン選手はどうしている?」オシムが日本でずっと気になっていた“あの選手”とは
posted2020/11/12 17:03
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Takuya Sugiyama
イビチャ・オシムとは定期的に連絡を取り続けている。ここに掲載するのは、11月1日の電話による直近の会話である。
前編では中村憲剛の引退について語ったオシムだったが、話題は現在オーストリア(グラーツ)で2試合をおこなう日本代表への期待、そして自身の近況へと移っていった――。(#1から続く/全2回)
◆◆◆
オーストリア代表に見た「2つの成功」
オシム ここ(オーストリア・グラーツ)でどんな相手と試合をするのか教えてくれ。
――メキシコとパナマです。
オシム スタジアムは?
――シュトルムのスタジアムだと思います。
オシム そうか。私も見に行ける。いい試合になるだろう。一緒に見れるといいが。
――そうですね。
オシム 日本がどのぐらい進歩したかを見ることができる。メキシコは優れたチームで、日本の実力を測るには最適だ。技術的に優れたとてもシリアスなチームだ。
私は他のいくつかの試合にも期待している。この時期のヨーロッパでは多くの試合がある。ここオーストリアでも、かつて私のもとでプレーした選手(フランコ・フォーダ)が今は代表監督を務めている。ここまでとてもよくやっている。多くの試合で勝利をおさめた。内容的には必ずしも満足はできないが、結果を得ているのは評価できる。ともに1対0(10月のヨーロッパ・ネーションズリーグ、北アイルランドとルーマニアにアウェーで連勝)だったが勝ちは勝ちだ。十分な結果だ。勝ち点を積み上げることが重要であるからだ。
彼らは2つの面で成功をおさめた。1つはチームの世代交代を完全に成し遂げたことだ。ベンチまで含めて完ぺきな若返りを果たした。もちろんピッチの上でもだ。もう1つは若い選手たちによってプレーも変わったことだ。日本は何か新しいことはあるのか?
――あまりありません。
オシム チームはもうできているのか?
――まだ発表されていません。
オシムが気になる「ジェフのこと」
オシム それでジェフはどうなっているのか?
――ジェフは……、とても平凡です。本当にごく並のチームです。