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中村航輔&中村太地が語った10代半ばの藤井聡太&久保建英観、サッカーと将棋の奥深さとは

posted2020/09/14 07:00

 
中村航輔&中村太地が語った10代半ばの藤井聡太&久保建英観、サッカーと将棋の奥深さとは<Number Web> photograph by Kenji Iimura

サッカーと将棋。一見すると全く共通点のなさそうな競技だが、真剣勝負という場でのやり取りは相通じるのだ。

text by

いしかわごう

いしかわごうGo Ishikawa

PROFILE

photograph by

Kenji Iimura

2017年7月23日、柏レイソルのファン感謝デーでGK中村航輔が将棋で中村太地六段と対局するという企画が行われ、その前の対談でサッカーと将棋の共通点について大いに語り合いました。2人に登場してもらったNumber将棋特集号の増刷を記念して記事を再公開します!(初公開:2017年7月28日/肩書は当時)

――中村航輔選手の将棋好きがきっかけで、中村太地六段との「中村対談」が実現しました。サッカーと将棋、頭を使う競技者としての共通点を深く話していただければ。

太地:今日ほど中村で良かったと思うことはなかったです(笑)。中村さん……、あ、航輔選手とお呼びしますね。

航輔:お願いします(笑)。サッカー、好きなんですか?

太地:はい、幼稚園から小学校低学年までプレーしていました。今も日本将棋連盟にはフットサル部があって、そこで渡辺明竜王や佐藤天彦名人とも定期的にやっています。

航輔:なんだか、すごく頭を使って戦略的にサッカーしていそうですね。

太地:いやいや。イメージはあるんですけど、体がついていかない(笑)。航輔選手の将棋歴はどのくらいになるんですか?

航輔:小学校低学年頃からで、おじいちゃんが指していて自然とやるようになりました。

太地:僕は幼稚園の年長くらいの時に、父から教わったんです。それで父が休みの日に対局して、楽しかったからやり続けました。学校で友達とずっとやったりする感じで。

――航輔選手の場合、将棋よりもサッカーにのめり込んだからこそJリーガーになったと思いますが、将棋熱が復活したきっかけは?

航輔:プロ1、2年目の頃ですね。『将棋ウォーズ』という将棋アプリをダウンロードしたんです。サッカー界で将棋を指せる人は少ないので、そこから将棋熱が燃えてきました。

将棋ウォーズは、4000局くらい指してます。

――将棋タイムは、どんなときなんですか? 例えば練習後とか寝る前なのかとか。

太地:かなり指し込まれているとうかがっています。

航輔:はい、移動時間で特にアウェーに行く時ですね。『将棋ウォーズ』は4000局くらい指してます(一同・笑)。でも勝率は5割くらいですよ。負けると棋神解析(※コンピューターによる対局の分析)をします。自分の一手でガクンと評価値が下がったら「この手、悪かったんだな」と考えますね。

太地:どういう戦い方が好きなんでしょうか。攻めと守りの棋風だと……?

航輔:戦法は四間飛車(※振り飛車戦法のひとつ。攻守にバランスが良い戦い方だと言われている)で、やっぱり守りの方が好きですかね。

太地:そうなんですね。アマの方は圧倒的に攻めの方が好きな人が多い。将棋の守りは難しいので、攻めている方が楽だし、楽しいっていう傾向が強い。だからすごく新鮮です。

航輔:受け(守り方)が上手いというわけじゃないんですよ。何というか、相手の仕掛けてきたことに対して、リアクションする方が楽なんですよね。自分で何か起こそうと考えるより、相手の攻めにどう対応するかを考える方が好きです。相手が飛車を振ってきたら必ず穴熊囲い(※将棋の守備陣形で最も堅い守り方とも言われる)に行くんです。

太地:思った以上にしっかり戦法を考えられていますね(笑)。

【次ページ】 “取られたら負け”の王将は、GKと似ていますよね。

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