2020年を集大成として取り組んできた選手がいる。

　多くの選手に目を配りつつ、代表選考を行う。そして、オリンピックで女子初となるメダルを目指す。

　目標は、これまでも明確に示されてきた。そして選手にも、はっきりと伝わってきた。
　代表をめぐる競争に直面し、さらされている自身を自覚し、生き残るためにレベルアップを志した。

　これまで代表に籍を置いた選手の中には、2020年を集大成として取り組んできた選手がいる。

　人生設計を見渡して、延期を簡単に受け入れられなかった選手もいる。

　そうした選手も含め、向かうべき道筋は、はっきりと見えている。

　だから、迷うときはあったとしても、今は前向きでいられる。

　そして延期があらゆる面でマイナスに働くわけではない。

　チームとしては強化の時間が得られる意味もあるし、個々にとっては、故障からの回復途上にある選手なら万全な態勢で取り組むための時間になる。

　何よりも、先に触れたように、ホッケーができる喜びがある。

　それぞれにキャリアを積み重ね、多大なエネルギーを注いできた。ひととき離れたからこそ、かけがえのない存在だと確認することもできた。

　そんな思いとともに、代表選考に臨み、そして大舞台を目指す。