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山崎康晃と藤川球児は立ち直れるか。
クローザー受難を示す、ある数値。 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph by(L)Naoya Sanuki/(R)Kyodo News

posted2020/07/27 19:00

山崎康晃と藤川球児は立ち直れるか。クローザー受難を示す、ある数値。<Number Web> photograph by (L)Naoya Sanuki/(R)Kyodo News

失点がかさんでいる山崎康晃(左)と藤川球児。偉大な実績を築き上げた2人が、このまま苦しむとは思えないが……。

2019年序盤戦、防御率は良かったが。

 それを端的に表しているのが、昨年序盤戦の数字だ。山崎の2020年の成績は12試合で以下の通り。

11.1回0勝3敗6セーブ1ホールド
自責点11 防御率8.74

 同じく2019年の12試合目までの成績は以下になる。

11.1回1勝1敗3セーブ0ホールド
自責点1 防御率0.79

 ただし2019年は自責点が付かない失点が6点もあり、失点率は4.76だった。つまり昨年の山崎は「運」に助けられた部分が見え隠れする。

 もちろん、技術面ではツーシームの変化が小さくなったとか、速球の切れが悪くなったなど、指摘できる部分はあるのだろう。しかし同時に「勤続疲労」が徐々に山崎の実力を削っていったという側面もあったのだと思う。

各球団クローザーを数字で見てみる。

 ここで7月26日時点での12球団クローザーの成績を見てみよう。

<今季の12球団のクローザーの成績(7月26日時点)>
〇パ・リーグ
西武
増田達至
13試2勝0敗9S 0H 13回 率0.69

ソフトバンク
森唯斗14試0勝1敗7S
2H 13.2回 率1.98
モイネロ
17試0勝0敗1S 13H 16回 率1.13

楽天
森原康平
12試1勝2敗4S 2H 11.1回 率7.15
辛島航
11試0勝1敗1S 2H 8.1回 率6.48
J.T.シャギワ
15試0勝1敗1S 3H 11.2回 率3.86
ブセニッツ
13試1勝0敗1S 8H 12.1回 率0.73

ロッテ
益田直也
14試0勝2敗9S 2H 13.1回 率3.38
ジャクソン※契約解除
7試0勝0敗1S 3H 7回 率3.86

日本ハム
秋吉亮
13試1勝1敗7S 1H 12.2回 率4.26

オリックス
ディクソン
13試0勝1敗5S 3H 10.1回 率2.61

 万全の数字を残しているのは、西武の増田。ソフトバンクもモイネロに時々クローザーをさせて森を大事に使っているが、楽天は松井裕樹が先発に転向した後、後釜の策定に苦労している。

 ロッテの益田はセーブ数こそ稼いでいるが、意外と失点している。日本ハムの秋吉も当初は苦戦した。オリックスのディクソンは、セーブシチュエーションが少ないのでセーブ数が増えていない。

【次ページ】 パ以上にセの抑えが苦しんでいる。

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