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『ただ波に乗る Just Surf』
社会学者がボードに乗り記した
サーフィン研究の先駆的一冊。 

text by

西田亮介

西田亮介Ryosuke Nishida

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posted2020/06/30 17:00

『ただ波に乗る Just Surf』社会学者がボードに乗り記したサーフィン研究の先駆的一冊。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

『ただ波に乗る Just Surf』水野英莉著 晃洋書房 2400円+税

 サーフィンは多くのボードスポーツ、ボードカルチャーの原点にあたる。スケートボードは陸でサーフィンするために生まれ、スノーボードは海よりも長い斜面と自然を求めてサーファーたちが山に分け入って生まれたものだ。

 自由、逸脱、アウトロー、千葉、湘南……そんなイメージとサーフィンは結びついている。派手なロゴのサーフィン系のブランドを思い出す人もいるだろう。

 コロナ禍でも思いもかけず注目を集めた。緊急事態宣言下の「外出自粛下」において各地の海岸がまるで「3密」かのように過剰報道され、神奈川県では県管理の湘南海岸全域に立ち入り自粛の看板が立った(しかし地元業界団体から早期解除の要請が5月初頭に提出されたことは余り知られていない)。

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