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今永の自戒、オースティンの不在。
1勝2敗で始まったDeNAの2020年。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKyodo News
posted2020/06/23 08:00
開幕3戦目、DeNAは広島のルーキー森下に封じられるも、9回に宮崎が逆転サヨナラ打を放ち、今季初勝利。
「2番・ソトが理想」の理由。
今季のDeNA打線は『4番・佐野』という目玉はあるものの、ラミレス監督は開幕前までの調子を見てオースティンを軸に打線を組むと明言している。当初の予定では3番に入るはずだった。梶谷隆幸からソト、オースティン、佐野、ロペス、宮崎という1番から6番の打線は破壊力からいえばリーグNo.1と言っていいだろう。
ただ一点解せなかったのが2番ソトという打順だ。昨季ソトは2番で打率.208(108打席)、3番では.275(341打席)という数字を残しているが、適性からいえば3番ではないのか。これに「いい質問だ」と言い、ラミレス監督は答えた。
「たしかにソトは3番で昨シーズン40打点以上を挙げており適性は非常にある。ただ今年オースティンをベースで考えると、彼はフォアボールを選べるという理由から2番に置いた方がチームとして効果的なのではないかと」
長打力に加え、出塁する能力。打線に関してはオースティンがスタメンに名を連ねてからが本番になりそうだ。
今永「負けがついて良かった」
一方、開幕カードで先発した投手陣は、いいピッチングを見せてくれた。中継ぎの要のひとりであるスペンサー・パットンをベンチ外にしてまで2戦目で起用したマイケル・ピープルズは6回7奪三振1失点で試合を作り、3戦目の平良拳太郎も課題だったスタミナに不安を感じさせず、6回1失点と成長の跡をうかがわせた。
そして、開幕戦で投げた大黒柱の今永昇太は5回2失点93球で最低限の仕事をした。ただチームは敗れ、自身には黒星がついた。
試合後、今永は自責の念と達観が入り混じったような表情で、意外なことを言った。
「本当に負けがついて良かったなと思っています」
負けていいことなんて何もないはずだが、そこには今永なりの咀嚼と向上心が見え隠れする。目線の先にあったのは対戦相手の大瀬良大地だ。雨が降るなか116球を投げ、1失点で完投勝利。まさにエースの働きだった。
「僕の(1イニングの)平均の球数は18球で、大瀬良さんは12~13球。ここが大瀬良さんと僕の目に見える差というか、開幕戦で見せつけられました。僕自身、大瀬良さんのピッチングを参考にして、今日の負け方をしっかり自分の教訓にしたい」