令和の野球探訪BACK NUMBER
BCリーグはコロナ禍でどんな準備を?
6月20日開幕「ピンチをチャンスに」
posted2020/06/18 07:00
text by
高木遊Yu Takagi
photograph by
ROUTE INN BCLeague
新型コロナウイルス禍に見舞われたスポーツ界。野球界も各種大会の延期や中止が相次いだ。
そんな中、今年で14年目を迎える独立リーグ・ルートインBCリーグは、NPBが開幕する翌日の6月20日にレギュラーシーズンをスタートさせる。NPB同様に無観客試合が原則(富山の開幕戦から制限付きの有観客開催)で開幕するが、経営規模が圧倒的に小さいBCリーグはどのように生き残りや発展を目指すのか。運営や経営の最前線にいる関係者に話を聞いた。
今季から神奈川フューチャードリームスが参入しNPBと同じ12球団になったBCリーグ。
その神奈川は、横浜DeNAベイスターズから球団OBで1998年日本一の立役者の1人である鈴木尚典監督ら指導者の派遣を受けたり、横浜スタジアムでのホーム開幕戦開催を4月18日に予定するなど、多くの注目を集めてきた(神奈川のホーム開幕戦は6月22日の13時から平塚球場で行われることになった)。ドラフトに多くの選手を送り込んできた埼玉武蔵ヒートベアーズも、埼玉西武ライオンズと地域貢献事業やトレーナーの派遣などで協力関係を深めており、NPB球団との連携や首都圏での発信力をより強めていこうとしていた。
そんな矢先、リーグ開幕延期が決まった。
まず行ったのは感染リスクへの対応。
「大変だったと過去形じゃなくて現在進行形ですよ(笑)。大変です」
なんとかリーグ開幕にこぎつけたものの苦笑いでそう語るのは、BCリーグの創設者であり、現在もリーグを取り仕切る村山哲二代表だ。当初予定していた4月11日開幕への雲行きが怪しくなった3月から各球団の代表者と週1回、侃々諤々の議論を交わしてきた。
いわずもがな、最大の目的は「選手・スタッフ・ファンの感染リスクを最大限に抑えること」。突き詰めて考えてしまえば「試合をしないこと」が一番だが、そうなれば球団そしてリーグの存続ができないのは当然のことだ。
そこで試合時間と移動時間を少なくするための、独自の大胆な規定変更を断行した。