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18着に負けたダービーの誘導馬に。
サクセスブロッケンが遂に叶えた夢。
text by
カジリョウスケRyosuke Kaji
photograph byRyosuke KAJI
posted2020/06/06 08:00
「日本ダービー」のゼッケンを12年ぶりにまとったサクセスブロッケン。
次は、大観衆の前で。
葛原を背に乗馬センターを出発したサクセスブロッケンは、マイネルホウオウと共に地下馬道を通りパドックに向かう。「止まれ」の合図で周回し、ダービー制覇を目標に掲げる18頭を本馬場まで先導した。彼はついに日本ダービーの本馬場に”先頭"で足を踏み入れたのだ。
ダービーの先導を終え、乗馬センターに戻ってきたサクセスブロッケンと葛原の眼差しは穏やかだった。緊張が解けるのも無理はない。競馬関係者が目標とする大きな舞台での大役を果たしたのだから。
今年のサクセスブロッケンのダービーでの誘導に、無観客開催という巡り合わせがあったことは否定できない。しかしそこに挑戦する機会は、サクセスブロッケンが積み上げてきた経験と実績があってこそ得られたものだ。そして今年、彼はまた1つ実績を重ねた。来年目指すのはもちろん「ファンの前でダービーの先導をすること」だ。