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12歳と8歳のゴルファーが作った、
『ウィ・アー・ザ・ワールド』の輪。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph bySports Graphic Number
posted2020/06/02 07:00
アメリア・ファンと彼女の妹アレクサの行動が、過言ではなく世界を動かした。彼女がゴルフに取り組んできたことは偶然ではないように感じられる。
ゴルフ場や関連施設に最大10万ドル。
そんなふうに選手たちが個々に動き出した一方で、メジャー大会の主催者でもあるゴルフ統括団体も次々に社会のためにアクションを起こした。
マスターズを主催するオーガスタ・ナショナルは、PCR検査場になっている地元オーガスタ大学へ100万ドル(約1億円)を寄付。さらに100万ドルをオーガスタ市の緊急支援ファンドへ寄付した。
「地域の医療関係者、地域の人々をサポートすることは、オーガスタ・ナショナルの使命です」(フレッド・リドレー会長)
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全米オープンを主催するUSGA(全米ゴルフ協会)は全米50州の加盟団体を対象に、それぞれ最大10万ドル(約1000万円)を支給すると発表した。
「ゴルフ場や練習場、ゴルフ関連施設は、ゴルフのバックボーンです」
その屋台骨を支えることは、USGAの使命だと彼らは考えている。
選手、キャディ、スタッフをサポート。
全米プロの主催者であり、全米のクラブプロを統括しているPGAオブ・アメリカは、約3万人の所属プロたちはもちろんのこと、コロナ禍で経済的ダメージを受けている全米180万人の「すべてのゴルフビジネス従事者」に総額1000万ドル(約10億円)超の緊急支援を行なっている。
「すべてのゴルフビジネス従事者」の中には、米LPGAや下部ツアーのシメトラツアーの選手やキャディ、関係者、米ツアーの下部ツアーであるコーン・フェリー・ツアーやPGAツアー・チャイナ、PGAツアー・ラテン・アメリカ等々の選手、キャディなども含まれ、さらにはPGAオブ・アメリカやUSGAで働くスタッフも含まれるというところが素晴らしい。
所属団体に関わらず、立場や肩書きに関わらず、ゴルフを愛し、「ゴルフ」を生業とするすべての人々を、垣根を越えてサポートしようという姿勢は、まさにゴルフの存在意義を示しているのだと私は思う。