中村倫也の名言 

レスリング東京五輪代表の座を乙黒拓斗に奪われ、総合格闘技への転向を表明した中村。次なるステージは憧れのMMAだ。他界した父・晃三さんは、かつて名を馳せたヒクソン・グレイシーを初めて招聘した大会を影で支え、日本のMMA競技化の礎となったジム『PUREBRE』のオーナー。そのジムは、中村にとって幼い頃からの遊び場だった。「僕の中でレスリングはMMAで結果を出すためのものだった。仮に代表選考がやり直しになったとしても、もういいという思いの方が強い」と気持ちの切り替えは早々に済んでいる。コロナ禍で思わぬ足踏みをしたが、自主トレに励み、チャンスの時を待つ。欲と冷静さを併せ持つ男の挑戦は、まずはアマチュアの舞台からになるようだ。

Number1002号(2020/05/07)