熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
保釈ロナウジーニョは今何してる?
獄中フットサルのちホテルで……。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byAgencia EFE/AFLO
posted2020/04/27 07:00
保釈されてメディアに囲まれたロナウジーニョ。ちょっとバツの悪そうな表情を浮かべていた。
月650万円近くかかるホテル生活。
なお、ホテルの宿泊費は1日約400ドル(約4万3000円)。兄アシスと弁護士も同じホテルで個別に部屋を取っているので、3人合計で1200ドルである。それに加えて食費などの生活費と弁護士への報酬などを合算すると、毎日2000ドル(約21万6000円)前後の経費が発生していると推測される。
これが1カ月続けば、6万ドル(約648万円)にもなる。
パラグアイの捜査当局は2人を最長6カ月間、つまり9月6日まで勾留できる。仮に期限いっぱい滞在すると、30万ドル(約3240万円)前後の費用がかかる計算になる。
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現役時代、ロナウジーニョは1億2500万ドル(約135億円)前後を稼いだとされる。しかし出費も非常に多く、特に引退後は資産が猛烈なスピードで減っていると伝えられる。
今回のパラグアイでの想定外のトラブルによる出費は、彼にとっても痛いはずだ。
母国に戻れば20を超える訴訟が。
現役引退後、彼は指導者にも解説者にもならず、「ロナウジーニョ・ブランド」を使って世界各国で行なわれるイベントに参加して生活する道を選んだ。
思いもよらず長期滞在することになったパラグアイでも、自身が予期した形ではなかっただろうが、「フットボール伝道師」ではあり続けている。
今後、捜査がどのような方向へ進み、いかなる刑罰を科されるのか。実刑判決を受け、現地でそれに服するのか、あるいは実刑は免れて母国へ帰還できるのか。そして、その後はどのような人生を送るのか――。
母国へ戻ると、自身が広告塔となったデジタル通貨のねずみ講(オーナーの1人、という触れ込みだった)に出資して損失を被った150人からの約3億レアル(約60億円)の損害賠償請求、かつて事実上の重婚生活を送った女性からの慰謝料請求など20を超える訴訟、そして不動産の土地家屋税の滞納分約750万レアル(約1億5000万円)、違法建築物への罰金支払い約60万レアル(約1200万円)など数々の支払いが待ち受ける。